魔法が使えないエルフってわがままだな・・・
≪魔法≫
それは知識であり、力であり、生物としての存在意義でもある。
仕事、娯楽、教育、道具と人々の生活に、深く関わっている。
この世界で魔法とは誰もが使えるものであり。
魔法が使えない者は、一人前として見られない。
ましてや、魔力のない者なんて生物としてすら認められない。
◇とある酒場にて
「何よ! いいじゃない。私だって少しくらいは贅沢したいのよ!」
「だめだ! 俺はセレスの親みたいに貴族じゃないから、金がないんだ。俺と一緒にいたければ我慢するということを覚えろ!」
「い~や~だ~わ、それになんで金ないのよ! カイトの実力があれば、王国の聖魔導士くらいにはなれるでしょ」
「いやだね! 俺は働きたくないんだ!」
「うわ~……」
「だから我慢しろ!」
「ふざけんな!」
俺の名前は海の人と書いて、カイトと読む。
そんな俺だが、まぁ日本人だ。
しかし、前の世界で幼馴染を助けようとして、トラックに轢かれてしまった。
その後、色々と不思議な事が起きた、まぁ最初に何が起こったかというと、それは俺の死だ。
次には目の前に自称神のおっちゃんが現れた、髪の毛がバーコードの神だ……。
こいつがとんでもないことを言いだした。
転生させるのめんどくさいから、異世界にそのまま送ったろっと。
バーコードの神が何言ってんだって思って、心の中にバカにしていたら。
つい1ヵ月前だ、この世界に来た。
世界の名前はバーコードの神の説明をよく聞いてなかったから覚えてない。
というか興味もないんだが……。
そんな俺がこの世界に最初に来て思ったことは……っへ?だ。
だって考えてほしい例えば君が死ぬとしよう、なに縁起が悪い?
……死んだとしよう!急に目の前に髪の毛がバコードの神が自分のケツをかきながら出てくるとしよう。
君はきっとこう思うだろう……へ?っと
そのバーコードの神様が、転生させるのが面倒だからと勝手に異世界に送るとしよう。
きっと君はこう思う……へ?っと。
そして、俺が、この世界の常識を、頭にある程度叩き込んだ頃、街の裏路地で、このエルフと出会った。
「おじいさん! お酒おかわり!」
この飲んだくれているエルフの名前は、セレスティア、俺はセレスと呼んでいる。
セレスはとある問題を抱えており。美人の巨乳エルフでその金髪碧眼はまさにファンタジーに出てくるエルフそのものの見た目だ。服装は俺が適当に買った女物の服だが、サイズが合わなかったようだ。
谷間が非常に強調された状態になっていて、なんというか、目のやり場に困る。
まぁ俺のせいだし、後でちゃんとサイズの合う服を買うつもりだ。
俺がそう考えていると。
ふと柔らかいものが腕に当たる。
「ね~カイト~聞いて~、私ね~私ね~」
酔っぱらったセレスが引っ付いてくるのを押しのけていると。
「私ね~お父さんにゴミって言われたの~お母さんにも我が家の恥だって言われてね~兄弟たちにも石ころを投げられてね~痛かった~の!」
セレスは酷く酔っぱらうと毎回この話をする。
初めて会った頃は貴族とは分からなかった、だってセレスは薄汚い皮の服を着ていたんだから。
路地裏で、抱えた膝に顔をうずめて泣いていたのだ。
体のあちこちには打撲の跡があり。
小さな切り傷も多くあった。
俺はかわいそうに思い青魔法のヒールをかけて傷だけ治してあげた。
そのあとすぐに路地裏から離れて、街を出たところで。
「でもね、私がお父さんから逃げている時にカイトに会って、助けてもらってすごくうれしかった〜の!!」
セレスが、息を切らしながらも街の外まで、俺を追いかけてきた。
お礼を言いたかったらしくて、足を止めてセレスの話しを聞いた。
子供のような動作で手をいじりながらも、自身なさげにありがとうと言ったセレスの顔は、今でも覚えている。
俺は好意でやったことじゃないから、気にしなくてもいいよ。と、俺が言うと、セレスは仲間になりたいと言い出した。
きっと俺の事を旅の途中の魔法使いとでも思ったのだろう、俺も別にいいと思ってしまい、セレスのお願いを聞いてしまい、今に至る。
「ね~聞いてるの? カイト~」
「聞いてる聞いてる、引っ付くなお前の胸、無駄にでかいから当たるんだよ」
「私の胸に触れられるだけ、感謝してほしいわ~」
自意識過剰な酔っ払いエルフ、無理やりを引きはがす。
先程セレスが言っていた、兄弟に石を投げられ、親に捨てられて、心ない者たちに売られそうになったと言う事柄は、セレスの受けた、暴行や迫害の原因はセレスが魔力を持たないからだ。
この世界では魔力は物にすらある。
つまりは魔力を持たいないというのは、物以下のゴミになり下がる。
そしてそういった人々はごく稀に生まれてくるそうで、原因は分かっていないのだそうだ。
「ね、カイト、私ね、カイトに感謝してるんだ」
「なら、少しは酒を飲むのをやめてくれ、あぁ金が……」
「い~や~だ~」
このエルフ!
俺がこのバカエルフに金の大切さを教えようと、怒鳴る寸前に酒場のおっちゃんが近づいてきて。
「お兄さんよ、しばらくこの街にはいるのか?」
「まぁ、金を集めるためにモンスターを狩ろうと」
働くのは嫌だけど、金は絶対に必要だしな。
それに、この世界にはモンスターがいるのだ。
モンスター達は体内に魔石を持っていてそれを抜かれたり壊されたりすると、消滅する。
そんなモンスターの魔石はそれなりの値段で売れるので、俺なら一回の狩りで、一週間分の宿代と飯代が稼げる、一人分のだけど。
「モンスター狩りか~それもいいがこの町の冒険者ギルドには行ったか?」
「それは、まぁ魔石を換金しに何度か立ち寄ったけど……」
「だったらよ。その嬢ちゃんと一緒に冒険者登録すればいいじゃないか。そうすればクエストで報酬をもらいながら狩ったモンスターの魔石を換金すればかなり稼げると思うぞ」
確かに、俺もそれは考えたが……。
ここでの冒険者登録は魔力の値に比例して階級が与えられる。
おそらく俺は一番上の階級だろう、しかしそんなことすれば……おそらく俺は国の事件に巻き込まれる可能性がある上に、冒険者としてのルールを守らなければいけなくなる……、そんなめんどくさい事……絶対に嫌だ。
「え、遠慮しておくよ。冒険者には興味がないんだ」
「そうかい、まぁそこはあんたの自由さ。ちなみに金足りるかい?」
「すみません、つけにしてもらえますか?」
「あいよ~いつまでなら返せる?」
初対面なのにつけを許可してくれる偉大な酒場の主人に感謝しながら、明日には返すといって俺らは宿へと向かった。
作者「始まったね~。魔法が使えないエルフと最強魔法使いの冒険譚。略してマホウタン!えっ?微妙?うるさい、これでいいんだよ。」
カイト「あんた誰?」
作者「おお、カイト!そうだな俺はなこの世界からしたら神にも等しい存在だ。」
カイト「ほう、じゃあ、お前の髪の毛もバーコードなのか。」
作者「違うよ!サラサラのストレートだよ!」
カイト「と見せかけて?」
作者「いや、そういうのいいから!これ読んで。」
カイト「ん?なになに、えーっと、ミナサマ、イイナッテオモッタラー、なにこれ?」
作者「もう、へたくそが、いいかよく見てろ俺のお手本を、ミナサマ、イイナッテオモッタラ」
カイト「お前も同じじゃねーか!」
セレス「みんな~! いいなって思ったら、感想、評価、レビュー、ブックマークなどよろしくお願いします! これでいい?」
作者・カイト「やるな、バカエルフ」
セレス「なんですって!」