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醤油

 醤油を作ること自体は簡単にできると思いますが、できた物が上手いかどうかという点で考えると難しいのかもしれないものです。


 作り方を簡単に説明すると大豆を水に漬けてから柔らかくなるまで煮て、炒った小麦と混ぜ合わせた後に麹菌と混ぜ合わせ、数日置いてから水と塩を投入して混ぜて、また時間置いて混ぜて、また時間置いて混ぜてと繰り返す事1年ぐらいで出来るそうです。


 作り方の問題点を順番に整理していくと、この時代の大豆は農家が味噌に使う分と馬などの家畜の飼料程度で料理に油を大量に使う中国や朝鮮と比べて生産量が少なく余剰分の確保が難しいのではないかと思ったりする。

 明治時代になり鎖国が解除され海外との物流が増えると朝鮮から大量の大豆が入ってきて味噌などに加工されていることを考えると、日本国内では大豆の生産量自体は他に使うほど余裕があったとは思えないので生産強化が必要と思う。


 次に小麦は夏は稲を育て裏作として大麦や小麦が育てられていたけど、裏作で麦類を育てるには乾田化が必要となり日本では第二次世界大戦後の機械化導入までは乾田化が進んでいないという話がある。

 裏作に大麦や小麦を育てるには乾田化が必要となり、市場で小麦があるのかという疑念が発生して来て醤油作ろうと思っても市場に出すために原料の小麦を速攻で大量生産するのは難しいのではと思ったりする。

 麦類は無施肥と施肥で収穫量が7割改善するそうで麦は肥料で育てるという話なので麦を育てるには肥料も必要になってくる。


 麹菌が正直1番難しい話で現代で麹菌が欲しいと言っても店には売ってなかったりするけど、室町時代とか江戸時代であれば待ちに行けば売っている可能性は高く京都なら絶対に売っている。

 麹菌とは酵母なんだが酒を造るために絶対に必要な物でこれが原因で室町時代では一揆が起きたりと金を扱う漫画で少し触れていたりもする。

 町に行かなくてもこの時代の農家は味噌は自家製でそのために原料の大豆を育てているので、麹菌自体は簡単に農家に行けば手に入ったりもする。

 問題は麹菌というのはどのぐらいの菌の種類があるのかわからないぐらいあって、発酵食品は麹菌によってできあがる品質が大きく左右されるため醤油作りにとって一番重要となる。

 日本の醤油メーカの麹菌を手に入れるために工場見学して鼻の穴に付着した麹菌を培養してコピーしたなんて話もあったりするぐらい菌類を扱う食品にとって一番重要な物となる。


 作り方だけであれば簡単な物だが、醤油の質を左右する麹菌の選定を考えたら近隣の農家から味噌の麹菌貰って、町に行って麹菌買ってとりあえず100種類ぐらいの麹菌で試して質の良い麹を選定してから醤油量産するって考えたら早くて最低2年ぐらいはかかる。

 麹菌の選定は現代の醤油を知っているからこそ自分はせずに、人に任せてしまうかだな現代人なら自分が納得できるものを作ろうとしたらいつ商業生産できるかわかったもんじゃないのが菌類。


 現代では大豆は脱脂加工大豆といって油を搾った残りかすが主流で、搾ってない丸大豆と比べて油分が無いので酸化せず美味いそうです。

 ただ現代の脱脂加工大豆は油の抽出量を増やすために有毒なヘキサンという物を使うため、脱脂加工大豆を忌避する人もいるそうですが戦国時代にヘキサンが無いので関係ないかなと思ったりする。

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