塩水選
塩水選とは実の詰まった発芽しやすい種子を選ぶために、塩水に籾を入れ浮いた物を除去し底に沈んだ籾を丁寧に水洗いし選別する方法である。
作品の傾向として稲などでしかあまり見かけないが麦や豆類にも使える方法で、稲は苗として植えるので田植えの時点で分かるが、麦や豆であれば畑に種のまま蒔くので発芽しやすい物を選別できれば収穫量が大きく変わるものである。
水20リットルに対して塩を1㎏入れた物が基準として使われることが多く、現代の様に塩の値段が安くはないことを考えると5㎏というのは高価な物である。
現代であれば塩は5㎏で500円ぐらいのものだが、天日で作る当時であれば5000円ぐらいの価値であろうか。
そんな札束のような塩を意味があるのかわからない事に使えるかどうかも疑問だが、水でやった時と比べてどの程度の差が出るのかという話の方が重要だと思う。
水稲は麦と違い水田で栽培するため、毎年人工的に洪水を作り出し養分が水田にあるので輪作障害になりにくいとは言うが、河川の短い日本でナイル川のような豊富な養分があるわけもなく肥料を足さなければ十分な養分が無かった水田で育った稲にできた穂にどの程度の実が詰まっているのか疑問である。
塩水でいきなり選別するのではなく、普通の水で行いあまり選別できなかったりしてから初めて塩水を使おうよと言いたい。
現代でも水だけでも十分に選別できるという話もあり、安易に塩水選にこだわらないで欲しい。