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斜め上のダンジョンマスター・現代編  作者: ぴっぴ
第2章 動き出す世界
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第16話 マスター始動

「お~、出来たのか冒険者組合」


「何喜んでるんですか、マスター?」


「冒険者組合が出来たんだ、ラノベの世界が3次元に出来るとはな。感無量だぜ」


「行くぞコア、バル子付いてこい!」


 冒険者組合が出来たと聞いた俺はウズウズして、居ても立ってもいられない。なろうで異世界小説を読みまくった俺が我慢できるはずは無いのだ。それに俺にはコア子とバルキリーがついて居るのだ、これは小説の様にチート出来る。俺は冒険者組合のS級冒険者になるのだ~! そう、ダンジョンマスターは立派なオタクだった。それも最上級のタイプ・ステルス・オタクなのだ。


 そしてやって来たのは隣の県の冒険者組合、何故か俺のダンジョンの有る県には冒険者組合が無いのだ。まあ心当たりは有る、ダンジョンの周りに各国の軍隊が山程居るので魔物が出ても軍隊が出動して簡単に制圧してしまうせいだろうと思う、民間の冒険者が活躍する場面が無いのだ。

 ダンジョンの守りにはキングを置いてきたんで大丈夫、俺のダンジョンの最新部に到達できる人間は存在しない、俺が無茶苦茶に広くしたので直線距離でも千キロ位あるからな。俺の防御は距離と時間を稼いで旅の途中で奇襲攻撃を掛けて、相手をすり減らすのが基本戦術なのだ。


「マスター、この服窮屈です。メイド服の方が良いです」


「私もこのジーパンとか言うのは好きでは無いな、何時ものオリハルコンの鎧では駄目なのか?」


「頼むから我慢してくれ、お前らは美人過ぎて目立つんだよ。出来るだけ一般人に見えるようにしてくれ、たのむから。何なら土下座でも何でもするから」


「美人すぎですか・・・・・・それなら仕方無いですね!」


「うむ! し、仕方無いな! 我慢してやろう」


 バル子とコア子には普通の人間に見えるようにジーパンを履いてもらっている、上着も普通のジャケットに下は普通のシャツだ。勿論それでも目立つのでコア子にはサングラスを懸けてもらっている、非常に怪しい雰囲気だが、しないよりはマシだろう。そしてバル子には伊達メガネを懸けてもらっている、金髪で爆乳なので半額弁当の○の麗人の様だった。後でバルキリーには箸の使い方を教えねばな。


「しかしマスター、土下座までして冒険者になりたいのですか?」


「勿論だ、冒険者は漢のロマンなのだよ」


 土下座など必要なら幾らでもしよう、嫌いな奴から土下座をしろと言われれば即座に俺と戦闘状態にはいるが、自分の目的の為ならば土下座も嘘も平気だ、これは戦術の一つに過ぎないからな。頭は下げても心を下げた訳では無い、手や膝が汚れれば洗えば良いだけだ。


「うほ~、冒険者組合ミッケ!」


 俺はスキップして冒険者組合へと進んでゆく、コア子もバル子も変装しているが美人なのが丸分かりだった、巨大な胸と抜群のプロポーションは隠しようが無いのだ、だがテンションマックスで変な行動を取る俺が傍に居るので、声を掛けたそうな男共は近づいてこれなかった。彼らも変な人間には近づきたく無いのだろう。

 そして冒険者組合のカウンターへと近づいて行く。ここでベテランの冒険者に絡まれたり嫌がらせを受けるのが定番のハズなのだが・・・・・・? 何か皆大人しい?????


「何で皆大人しいんだ? 誰も絡んで来ない」


「どうした? 絡まれたいのか?」


「こら! デカイ声出すな、目立つだろうが!」


 バル子が空気を読まずに冒険者達を睨みつけている、冒険者達は全員とても大人しいのだ。何故なのか?・・・・・・ハッ! ここは日本、そして殆どの冒険者はオタクだったのだ、彼等はとてもシャイな人たちなので知らない人間に話しかけたりはしないのだ。彼等は知ってる人間にだって話しかけないし、知らない人に絡んだりする事は絶対にしないのだ。特に綺麗なお姉さんがいたら、顔を合わせるだけで赤面して話しかけられたら逃げるのだった。

 うむ、俺もまだまだ修行が足らんかった様だ、日本のオタク達が無礼を働く訳は無かった。彼等は基本的に温厚で慎み深い人たちだったのだ。冒険者達の分析を済ませた俺は組合のカウンターへと進む、ここで冒険者登録をして冒険者のバッチを貰うのだ、そして凄い勢いで出世して、伝説のS級冒険者になるのだ。


「スイマセン、冒険者の登録をしたいのですが」


「冒険者組合は始めてですか?」


「初めてです」


「では免許証か何か身分を証明するものを持っていますか?」


「はい、運転免許証です」


 冒険者になるのには身分証明証が必要だった、勿論俺は車やバイクの免許証を持っているのでカウンターのお姉さんに出した。コア子はバル子はそんな物を持っていないので、今回は俺だけが登録する、2人は荷物持ちという事にしておこう。


 ビィ~!!!!! ビィ~!!!!!


 冒険者組合のホールに警報が鳴り響く、とても煩い。天井の赤いライトまでも点滅している。これは非常事態に違いない、きっと魔物の襲来か? いきなり魔物の集団が街を襲ってきて、冒険者全員で迎撃するというラノベのお約束なのか?


「へっ!?」


 何故か俺達3人は冒険者組合の職員に囲まれていた。・・・・・・なんで?


「指名手配犯発見! 大人しくしろ、逃げられんぞ!」


 そう言えば俺は政府に捕まっていたのだった、アメリカに助けられたのでスッカリ忘れていた。俺は全国指名手配になってた様だな、冒険者組合は政府の委託機関だから馬鹿正直に免許を出したから、直ぐに緊急手配に引っかかったって訳だ。


「コア! フラッシュ!」


「ハイ、マスター」


 コアが強烈な光魔法を使う、ストロボが強烈になった様な目くらましの魔法だ。これで職員を一時的に目が見えない状態にする。


「逃げるぞ! 付いてこい」


 俺達3人は冒険者組合から逃げ出した、途中からはバル子に抱えてもらって凄い速度で逃走した。バルキリーのスピードに付いてこれる職員も冒険者も居なかった。


「クソ~! 政府の奴め~、尽く俺の邪魔をしやがる。だが俺は負けん、必ず冒険者になってやるのだ」


 俺は格好良く戦ってみたかった。盾で攻撃を防ぎ、剣でズバ~っと切ったりしたかったのだ。特にチームを組んで仲良く戦って見たかったのだ。素手でオークとドツキあったり、落とし穴に落として毒つきの槍でブスブス刺したりする泥臭い戦いには飽きたのだ。


「ここは、俺に任せて先に行け!」


「そ、そんな、マスターを置いて行けません!」


「何一人でブツブツ言ってるんですか? マスター」

「ハッ! もしかして、ボケたのか!?」


「ボケてね~よ! チョット夢見てただけだよ!」


 身分証明書でバレた事は分かった、それならば対策は簡単だ。俺には無駄な知識が山程有るのだ、見てろよ政府の役人どもめ、俺の方がずる賢い所を見せてやる。

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