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ある一家の日常

作者: sn0w


僕はソファーに座りながらリモコンを手に取った。

テレビをつけるとある芸能人が結婚したというニュースが流れていた。

どうせすぐ離婚するんだろうなあ。と思いながらポテチをつまみながらオレンジジュースを飲む。

こういうときに限ってニュースは欲しい情報をくれない。お父さんが帰ってくるのはもう少しかかるようだ。先ほどメールが来ていた。最新のスマホはパスコードをいちいち打たずに、指紋や顔認証でいいから楽で助かる。忙しい僕にとってはパスコードを打つ手間も惜しい。


暇だ。忙しいとはいったがいつも忙しいわけではない。家事といえば先ほど洗い終わった服を乾燥機で回しているので待つだけだし、先ほど掃除機も雑巾掛けもした。家はピッカピカだ。

勉強も僕には必要ない。


台所に移動してみるとお母さんの作りかけの鍋があった。材料をみるにカレーかシチューか肉じゃがだ。

お母さんに聞いてみても返事がない。まあしょうがない僕が作るか。料理をつくることは得意とはとても言える腕前ではないが、まあこれならルーをいれるかすき焼きのもとでも入れればいいだけだ。そうそう失敗はしないだろう。近くにあったカレーのルーを入れ、かき混ぜる。全体になじんできたら弱火にしてしばらく煮込む。


火元を離れてはいけないが、それより気になることがあった。いつもなら帰って、リビングで夕飯をとってるはずの弟がいないのだ。友達と遊んでるのだろうか。二階の弟の部屋に行き確認しに行く。やはりいない。勉強机を見ると開かれた数学の教科書と充電の切れたスマホが置いてある。懐かしいなあ。少しページをめくりながら、かつて苦手だった単元をみる。うーん。最近の中学生は自分の時よりよほど難しそうな問題やってるんだなあと思いながら部屋を出た。


オレンジジュースが効いてきたのか、トイレにドアを開けたまま入った。最近は僕のようにドアを開けたまま入る人達もふえてきているみたいだ。しっかりと流して台所に向かう。

火を止めて皿にご飯と共によそっていく。え~と、食後のデザートはあったかな。冷凍庫を確認していると、ちょうどお父さんが帰ってきたようだ。ただいまーという声が聞こえた。

突如お父さんの叫び声が聞こえた。思わずビクッとしたが、少ししてお父さんがドタドタと階段を上がっていく音が聞こえる。僕もお父さんの後を追う。ドアを開ける音が1つ。そして2つ聞こえた。














「お父さん!!」


「壮介いったい何があった!?母さんも恭介も血だらけだ!!」


「それよりあいつは!?いなかった!?」


「あいつ!?だっ!?・・・・ぅぁ。」

倒れていくお父さんの背中には刃渡り23センチほどのナイフが深々と刺さっていた。


「お父さん!?」

壮介がお父さんを見つめて呆然とする。


すぐさまナイフを引き抜いた僕は震えている弟に言った。


「みーつけた。」



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