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あげいん
次の日の映画デートも淡々とこなされていった。
待ち合わせに現れた秀郎は昨日よりかは、リラックスしているように見受けられた。
しかし秀郎のエスコートはかなりぎこちなさを感じさせるものだった。
[エスコート力:△と×の間]
雅子の中の評価シートに記入された。
また、秀郎は最近まで仕事で東京にいたせいなのか、この辺の土地に詳しくないらしく、映画を観終えた後の行き先の店等は雅子が決めた。
映画を観終え、夜御飯を食べ、またお開きということになった。
家までタクシーで雅子を送り、タクシーチケットを手に持ちながら、秀郎は「またラインします」と微笑んだ。
この時も鼻から鼻毛がのぞいていた。雅子はタクシーを降り、秀郎について考えた。
優しく、女慣れしてるチャラさもなく、たまに挙動不振で少し頼りない世間知らずのおぼっちゃん、といった印象。(鼻毛が気になるけど)
雅子の頭の中にそう、タイピングされた。この条件は雅子にとって良いもののように思えた。




