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関心

緊張が解けたのか、秀郎は雅子の視線に全く気が付く様子も無く、大きな声で話し始めた。

こんなに鼻毛が出ている人初めて見た、などと感心しながら秀郎の鼻毛を見る。

 

それと同時に、雅子は少し顔がこわばってしまっていた。

 たかが、鼻毛。されど、鼻毛。

 その鼻毛を見てテンションが下がってしまった雅子は、それでも一生懸命に秀郎の話を聞いていた。

 そして、「明日映画に行きましょう」という秀郎の突然の誘いに雅子は了承してしまい、また明日会うことになった。


 家に帰ると母が興味深そうに聞いて来た。

「どうだった?」

 その瞬間、雅子は鼻の両穴から鼻毛が出た状態で微笑む秀郎を思い出した。

「気の良い人だと思う。でも、鼻毛がでてた! しかも両穴から」

 あまりにも薄い娘の感想に、母は少し呆れたようだった。



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