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63:

 店が閉店時間になったので、帰ることとなった。店を出て雄二と手を繋ぎ、夜道を歩く。大通りを出て、タクシーを停める。

「気をつけて帰ってね。雅子ちゃん」

 停車したタクシーに乗り込む雅子を見送りながら雄二は微笑んだ。

「ありがと。雄二。楽しかった。おやすみなさい」

 タクシーのドアが閉まり、雄二の姿が見えなくなる。帰りのタクシーの中で雅子は一人でつぶやいた。

「何かが起こっちゃった」

 雅子は酔いと眠気の中、夢心地で今夜起こった出来事を回想する。

***

 翌朝、雅子は清々しい気持ちで目覚めた。

 心が満たされる。こんな気持ちは一年ぶりだろうか。

 昨日の夜は本当に楽しかった。私の知らない間についていた傷を、雄二優しく包み込んでくれた、そんな感覚。

 ぼんやりと昨夜のことを思い出した。十年男女問わずの関係が何もなかった雄二とキスをした。

 無垢なキス。ドキドキも無く自然なキスだった。

 ドキドキも無く。ん? なぜドキドキしなかったんだろう。

 雅子は雄二にラインを送った。普段通りに。


雅子:昨日はありがとう

雄二:こちらこそありがとうまた行こう


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