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 このタイミングでハワイに来れたことは雅子にとってラッキーだった。

 秀郎との奇妙な共同生活を始めてから、夜は出かけず、退屈な生活をしていた雅子は楽しい時間を必要としていた。

 久しぶりに過ごす友人との楽しい時間。

 現在ハワイでホットスポットと言われている、ルーフトップのバーでユリナを祝った。

 偶然ハワイに来ていた友人達も合流し、久しぶりのガールズナイトである。

「結婚生活はどう?」の友人からの質問には「普通だよ」と、苦笑いしながら答える。

 このお祝いムードに水を差したくは無い。

 バーでは音楽が大音量で流れている。

 

あたりはやがて暗くなり、夜が更けてきた。

 空は夕暮れの鮮やかなオレンジ色から深みのある濃紺の色に変化していく。

 海の方を見る。

 そこから見えるハワイの夜景は美しく、広がる空と海は開放感を感じさせる。

 日本とは全く違った夜景だ。

 雅子が住むマンションの窓から見る夜景。

 隙間なく建てられた建物。


「ハイ! 踊ろうよ!」雅子に男性が声をかけてきた。

 ハンサムなアメリカ人だ。

 モヒートやピニャコラーダを飲み、男性と会話し、楽しく、幸せな時間となった。

 結婚してから久しぶりに秀郎以外の男性と話をして過ごした。

 夜が更けるにつれ、店から流れる音楽も徐々にアップテンポなダンスミュージックに変化していく。

 

店の隅の方でDJが曲を流していた。

 そこはナイトクラブのような雰囲気になり、人々は皆音楽に合わせてダンスをしている。

 もちろん、男性とはダンスだけ。ただダンスして話しただけ。

 雅子の薬指の結婚指輪からは、あなたは一応結婚しているので忘れないように、というメッセージを雅子に知らせてくれていた。

 ありがとう。楽しすぎてそれを、忘れるとこだった。

 いや、忘れたかった。


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