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雅子は実家近くのカフェにいた。
今日、雅子と雅子の母はカフェで待ち合わせしている。
先に店についた雅子は落ち着かなかった。
雅子は秀郎との奇妙な新婚生活の現状を母に伝えようと決心していた。
どんな反応を母はするのだろう。
「雅子、おまたせ!」
久しぶりに会う母に雅子は安心した気持ちになる。
席に着くなり、少し心配そうな顔で母は尋ねた。
「どんな感じ? 秀郎さんとの生活は?」
雅子は一瞬、何から言おうかと考え、俯き、顔をあげた。
「実はね……」
秀郎の態度、不安なところ、そして見てしまった、あのアイテム達。
全て打ち明けた。
雅子の話を聞いている間、母は驚きつつ取り乱さずに冷静に、そして真剣に話を聞いていた。
「そうだったの。大変だったわね。雅子は大丈夫なの?」
「私は、どうしたらいいの? どうしよう?」
気持ちが高ぶり、気がつくと自然と涙が目から溢れ雅子は泣き出してしまっていた。
雅子の意思とは関係なく涙が流れる。
そして、一呼吸を置き、
「私は離婚、したい」そう思わず声に出していた。
雅子自身、離婚しよう、と決めていた訳では無いつもりだった。
しかし本心は既に決まっていたのだ。
自身の本心。
それは普段はわからない、心の奥底の底に埋まっていて、何かのきっかけでひょっこり顔をだすものなのかもしれ. ない。
自身の本心を確認した。
まるでスマホの認証ロックが解除されるかのように、気持ちのロックが解除され、雅子のそれは確認された。




