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結婚に『YES』と言った雅子は結婚式場を決めるため、ネットでウエディングのサイトを見ていた。『夢の様な世界』と謳われた華やかな結婚式場。
雅子の友人達はゴージャスな結婚式が多かった為、自身の式は落ち着いた雰囲気を理想としていた。
サイトに表示された様々な式場から派手すぎず地味すぎない、老舗のホテルに目が止まった。
ここなら私の理想とした式が挙げれそう。
すぐさまそのホテルに予約を入れ、秀郎と見学しに行くこととなった。
見学当日は珍しく秀郎が雅子を家まで車で迎えに来るとのことだったので、秀郎からの連絡を待った。
秀郎が車で迎えに来るというのは初めてだった。いつもタクシーだ。
秀郎との約束の時間になった。
しかし、約束の時間を過ぎても連絡がない。
ラインをしても返事がない。
一体どうなっているのか……? 約束の時間から一時間が経過した。
ホテルに予約をしている時間は数分後となる。
連絡の取れない秀郎に不信感と苛立ちを感じ始めていた矢先、ようやく秀郎からラインがあった。




