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「よろしくお願いします」
脳裏にその言葉を言った秀郎が思い出された。
あれがプロポーズになるのか……? どうしようか?
家に帰ると、母には既に連絡がいっていたようで、母は微笑みながら私をを出迎えた。
「もうあちらのお母様も結婚式はいつにしましょう? と乗り気よ。雅子はどうなの? とても良い条件の方だから良いお話しだとは思うんだけど」
雅子は考えた。
結婚とはこんなに早く決めるものなのか?
雅子の友人の中にお見合い後、その相手と二ヶ月後にスピード結婚した子がいる。
彼女は今ほんとに幸せそうで、その子の話しからも充実した生活が伺える。
お見合いには保留というものはないらしい。
受けるか、断るか。どちらかだ。
まるで決闘である。
温厚で、優しそうな秀郎を雅子は結婚相手には良いと思えた。
誠実で、優しくて、財力もあってと条件はかなり良い。
何よりあちらのご両親が雅子を気に入ってくれてる上に、とても良い感じのご両親だ。
既婚者の友人から聞く義母問題。良家に嫁げば嫁ぐ程求められるものが高くなる。まさに嫁いびり。嫁の口無し状態。
そんな話をたくさん聞いていたので秀郎の素直で優しそうな母親は更に良い条件に思えた。
また、お見合い結婚というものはある程度の結婚条件で相手を選ぶ為、恋愛結婚よりも離婚率がかなり低いという統計が出ているらしい。これは恋愛よりも冷静かつ合理的に条件で相手を見ることができるからであろう。
よしっ。人生決めようか! 女三十歳。
受けてやる!
雅子は決断した。
数日後、雅子は秀郎に向けて
『YES』の返事をした。
もちろん結婚についてのだ。
真面目で温厚な無難な男性と結婚。それは雅子の理想であった。
しかし、その無難が今後崩壊していくとはその時の雅子は知る由も無かった……。




