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空に逃げた英雄  作者: こーか
Chapter0.世界は君に優しくない
1/13

Prologue. Good-bye world

気まぐれ投稿です。一応設定は練っているのでのんべんだらりと気が向いたら書き綴ります


※なんか色々変えました

右、左、左、炎の魔法、10m、壁状、回避、不可能、剣撃、霧散、魔力密度、34%、高、詠唱時間短縮、確率64%、行動ルーチン構築、次点攻撃、水による足場への攻撃、土魔法推奨、回避、回避、左、木の炎上、体力、気力、共に問題なし、魔力密度、上昇、82%、大魔術、始動、『マクスウェルの悪魔』でのみ回避可能、使用、偏差、3m、誤差0.03mm、目標着弾、損傷、ルーチン構築外行動、目標確認、背丈113cm、絹の服、木の枝、子供と推論、以降甲と表記、目標、甲に接近、無傷での救助は不可能、


流れる思考の中で感じたそれに駆けつける。呆けている子供を突き飛ばし、黒い剣が胸に突き刺さる。完全な致命傷。血が流れ出る体は熱い。身を伝う液体の感触に死を予感する。


損傷、重度、油断、進行、可能、進行、進行、進行、進行、進行、進行、


ごほりと血を吐き出す。ニヤリと笑うソレに気圧されないように一歩一歩着実に前へと足を運ぶ。さらに剣が深々と突き刺さる。手に持つ剣を振り上げ、凪ぎ払う。首が、ごとりと落ちた。


目標の沈黙を確認、『ラプラスの悪魔』終了します。


脳内をかきみだす情報の奔流が途絶える。不可思議な魔方陣が浮かぶ左目は閉じられ、瞼に付けられた傷が露になる。左目を縦に傷つけたそれは封だった。

明らかに致命傷の原因になっている剣を抜く気力もない。


「お兄ちゃん!」


潤んだ目の子供が駆け寄ってくる。それに意識して柔らかい笑顔を浮かべて頭を撫でてやった。昔、何度もしたことだ。あの時とは背丈の差が全然違うけど。


「帰り道、分かるか?」

「分かる!人、人呼んでくるから!」

「頼む」


走り去っていく子供を見送って、付きそうになる膝を支える。胸からの血はいまだ止まらない。


『マスター、生存は不可能と判断します』

「・・・そうだな」

『どうなさいますか』

「せめて、お気に入りの場所で、死ぬ」


血のあとを地面に残しながら暗い森を歩く。目を閉じればそこで歩みをやめてしまいそうで閉じられない。走馬灯が浮かぶ。走り回る子供たち、それを見る幼い自分。嫌な笑顔を浮かべる大人達。炎に包まれ、焼け落ちていく町並みに照らされる、兄と、親の死体。それを踏みつぶす男の、こちらに剣を振り上げる男の、笑い声。気づけば視界は開け、光が満ち溢れている。一面に咲く白いリフの花が視界の端から端までを覆って自分が通った後に残った血のあとが花の残骸と共に鮮烈に浮かび上がった。

立っていられなくなって、膝をつく。そのまま横倒し、そして空を見上げる。


「・・・昼寝ぐらいしておけばよかった。せっかく自堕落な生活が出来るようになったのに」

『心臓の辺りをぶっ刺されてるのに生きてるあなたの生命力には感心します』

「フレナも言うようになったなぁ」

『あなたから生み出されあなたをずっと見ていたら口も達者になるというものです』

「後悔は、しないって決めたんだけどな」

『なんですかそれは、まるで私がこんな風に育ったことが後悔みたいじゃないですか』

「凄く頼りになるが、出来れば口が上手くなったり、戦闘の補助が上手くなったりするより、花の種類とか、最新の掃除機器とか、そういうのに感心をもってほしかったかな」

『私だけ平和に甘んじろと?あなたはあんな地獄を6歳から味わったのに!?』


男のヘッドセットから聞こえる女性の声が悲痛な叫びを伴う。男の手によって作られた人工知能は一個の人格であると錯覚するほど感情に満ち溢れていた。まるで親を思う子のようだ。


「ああ・・・フレナはちゃんと異常だって分かるんだ。俺、かれこれ20年、あんな生活してたからさ。ちょっと感覚麻痺しちゃって」

『あなたも気づいてたから逃げ出したんでしょう!?誰にも見つからない辺境の地まで来て、邪魔されず自分の好きなことを出来るはずだったのに!こんなの、こんなのってあんまりじゃないですか・・・!』

「違うさフレナ、違うんだよ。周りの人の行為は異常なんかじゃない。狂っていたのは、むしろ俺の方だ」


行き場を失った子供の目をフレナと呼ばれた人工知能は見た。この人はーーーー誰にも知られていなかったけれどーーーーとても子供っぽい人で、寂しがり屋で、怖がりで、英雄なんて大層なものじゃなかった。


『ええ、知っています。あなたが狂っていたのなんて百も承知です。それでもあなたをそうさせた周りが異常なんです。そしてあなたを擁護する言葉をかける私自身も狂っています。・・・あなたを助けられない正常なんて要りません』

「・・・そうか、おやすみ。フレナ、今なら良い夢が見れそうだ」

『良い夢を、ヘイズ』


観測していた心臓の稼働が徐々に弱くなっていく。今のフレナには彼を助ける手立てはなく、ただ静かにその終わりを待っていた。

ピーーーーと幾度となく聞いてきた電子音を自ら発する。


『マスターの心肺停止を確認。現状より判断される生存率0.0001%。マスターの再起不能及び生存率1%を下回ったため、機密保持のために全メモリーと人格『フレナ』を完全消去いたします。

Good-bye world』


ヘッドセットの一部から光が失われる。後に残ったのは、かつて英雄と呼ばれた男の死体と彼の作った地溜まりだけだった。


『貴様に祝福(呪い)を・・・』


あと、おぞましい声。

プロローグだけじゃわけがわからないよ!


あと私がよくわからなくなりそうなので伏線?も羅列しておきます。見たくない人は下にスクロールしないでください。










伏線整理

主人公について。

『ラプラスの悪魔』『マクスウェルの悪魔』『フレナの自動メモリー消去機能』


状況について。

『おぞましい「貴様に祝福(呪い)を」の声』

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