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第四話 レクリエーション

「皆、昨晩はハッスルしたかな?」


 ネオスクールに入学して二日目の朝のSHR、先生の第一声がこれだった。


「先生、男女で同室なのはわざとですか?」


 女子生徒の一人が手を挙げて先生に質問した。やっぱり他の部屋も同じだったか。

 ちなみに俺はちゃんと柵を作ったので何もなかった。


「当然! ネオスクールは不純異性交遊を応援しています!」


「先生、何を考えているんですか!?」


 俺はつい我慢できずに先生に発言してしまった。出来るだけ面倒くさい人物とは関わりたくないのに。


「貴方達は卒業したら、いつ死んでもおかしくないような仕事に就く可能性が高いですからね。高校生活ぐらいは青春を謳歌させよう、という先生達の配慮です」


 なるほど。ただ頭がおかしいだけでなく生徒のこともちゃんと考えていたのか。


「というのは建前で学園長の趣味です。後、先生も大好きです」


 一瞬でも見直した俺が馬鹿だったよ。


「もちろん不純同姓交遊も応援しています。だから同姓が好きな人は言ってね。部屋替えするから」


 これで先生に言えば雨音と別の部屋になれるのか。でも、部屋が変われば自分は同性愛者だ、って言っているのと同じだからな。そんな勇気は俺にはない。


「先生、僕は同性愛者なので部屋替えを希望します」


 まさか堂々と宣言する奴がいるとは。今まで変態は女だけだったけど男も遂に現れたか。


「俺も同性愛者です」


 まさかの二人目! これはカップル成立か。全く応援できないな。


「OK、部屋替えの話をするから二人は後で来てね。次はこのプリントを後ろに回して」


 先生は一番前の席の生徒にプリントを渡していく。そして俺にプリントが回ってきた。プリントにはこの学校の見取り図と×マークが書かれている。


「レクリエーションの内容はバトルサバイバルです。場所は学校全体、ルールは最後の一人になったら勝ちです」


「先生、そんなことしたら他の生徒に迷惑がかかるんじゃないですか?」


 雨音が手を挙げて質問する。

 確かにそうだな。別にバトルサバイバル自体はおかしくない。このクラスは元々、俺達を実践投入できるように教育するのが目的だからな。それに入学時点での生徒の能力を把握することも出来る。


「大丈夫です。普通クラスの生徒は課外授業、二年と三年は休みです。ちなみに学校は暴れても簡単には壊れないようになっているので安心してください。次にプリントを見てください」


 先生に言われて、さっき配られたプリントを見る。


「プリントの×マークは立ち入り禁止の場所を示しています。そこに入ったら即失格なので気を付けてね」


 なるほど。だったら、そこに行くか。バトルサバイバルなんて面倒くさいだけだし。


「ちなみに間違って立ち入り禁止の場所に入ってしまった生徒にはキツい罰が待っているので気を付けてね」


 妙に嬉しそうな笑顔で先生が言う。これはドSの顔だ。何をするつもりなのか分からないが、これは行かない方が良いな。

 もう一度プリントを見てみる。すると×マークがあるのは昨日、昼飯の後に学校見学した時に入れなかった場所が多いことが分かる。後、寮とか食堂もそうか。


「じゃあ、他に質問がある人はいるかな?」


 俺は一つ気になったので手を挙げる。


「はい。何かな、飛鳥ちゃん」


「制限時間はあるんですか?」


 制限時間があるなら終わりまで隠れて待っているんだけどな。


「仮に今日の放課後までバトルサバイバルが終わらなかった場合は明日に延長されます」


 ちっ! じゃあ、戦うしかないか。面倒ごとは早く終わらせたいからな。


「まだ質問がある人はいる?」


 誰も先生の言葉に反応しない。


「誰もいないみたいね。じゃあ、くじ引きを引いて。これで皆のスタート位置を決めるから」


 そして全員が一列に並んでくじ引きを引き始めた。


「ねぇ、飛鳥ちゃんはどこなの?」


 俺がくじを引いて席に戻ると雨音が予想通り俺に質問してきた。


「教えてほしかったら先に自分の場所を言え」


「え~? 乙女の秘密が知りたいの?」


 相変わらずのあざとい感じがイラッとするな。相手にするのが面倒くさい。


「興味ない」


「健全な男子なら私みたいな美少女に興味ないなんて有り得ないよ」


 そんな感じで雨音とやり取りしているうちに全員がくじを引き終わったみたいだ。


「じゃあ各自、指定の場所に移動してね。あ、それと言い忘れたけど相手を殺しては駄目ね。もし殺したら学校を退学になる上に軍のモルモットにさせられるから」


 殺す奴なんているのかよ。しかも、モルモットって物騒だな。


 そして移動して指定の場所についた。俺は保健室の前だな。保健室のベッドで寝ていたいが、ここも立ち入り禁止のようだ。そんな場所をスタート位置にするなよ。

 そんなことを考えていたらアナウンスが聞こえてきた。


『皆、スタート位置についたみたいね。じゃあ、バトルサバイバルスタート!』


 さて、まずはどうするか。作戦としては人数が減るまで隠れていたいんだが。中には索敵能力の高い奴もいると思うし難しそうだな。とりあえず敵に見付からないように気を付けながら移動するか。

 とりあえず校舎裏に向かう。あそこなら人もあまり来ないだろうし、仮に来ても隠れる場所がないから不意討ちも出来ないだろう。

 一応、人はいたがバレずに校舎裏に移動することに成功した。


「よぉ、西条飛鳥。こんなに早く会えるとはラッキーだな」


「げっ!」


 校舎裏につくと何故かリーゼントが先にいた。まさか俺と同じ作戦か?


「にしても、俺のスタート位置にお前が来るなんて本当にラッキーだぜ」


 どうやら違ったみたいだ。て言うか、何でスタート位置に校舎裏があるんだ?


「ところで、何でスタート位置からまだ移動してないんだ? もう十分は経ってるぜ」


「ここにいたらお前が来る、って言われてな」


 誰が言ったんだ? 俺の作戦は誰にも言ってないはず。いや、それよりもワザワザ俺とリーゼントとぶつける意味は何だ?

 俺の力を試したい奴でもいるのか?


「じゃあ、早速けりをつけようか!」


 そう言うとリーゼントは俺に真正面から突っ込んできた。て言うか、けりって何だ? リーゼントが勝手に俺に突っかかってきただけだが。


「俺は地上最速の動物チーターのビースト。お前に俺の動きが見えるか!」


 チーターのビーストか。チーターの最高時速は百キロメートルを越えると言われている。確かに普通の人間じゃ反応できないほどの物凄いスピードだ。


「だが、それがどうした?」


「グワッ!」


 俺は拳を上から降り下ろしてリーゼントを地面に叩き付けた。


「まずは風の抵抗を受けそうな、そのリーゼントをどうにかしろ」


 俺の言葉はリーゼントに届いてない。どうやら死んではいないが気絶しているな。一撃でダウンとは大した耐久力だな。

 ここで敗者を知らせるアナウンスが聞こえてきた。


『最初の脱落者はリーゼントが特徴の杉崎剛くんです。皆は出来るだけ脱落しないように頑張って先生達を楽しませてね。後、飛鳥ちゃんには一万賭けてるから特に頑張ってね』


 どうやら学校中に監視カメラを仕掛けてバトルサバイバルの様子を見ているようだな。しかも先生達ってことは、このバトルサバイバルは見せ物でもあるわけだ。しかも金まで賭けているようだ。

 本当、普通の学校なら即クビになるような先生だな。


遂にバトル開始です。気になることや疑問があったら、いつでもコメントください。答えられる範囲で答えます。

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