獄中の天使たち
いつかこの背中には羽根が生えてくるわ、そうしたら空を飛んで別の場所に行くの。
まるで夢みたいなことをまことしやかに語る少女の笑みは眩しい。それを本気で信じているようだった。私には関係のないことだったけれど。
優しくした覚えもなければ何かをした記憶もない、けれど少女は何かと私のところへ来てはいつもその羽根の話をした。
ねえ、あなたは自由を信じる?
未だに少女のその問いかけにはまともな答えを返してはいなかった。拘束された身で自由を語るなんてどうかしてる、ありえない。少女ほど夢のない私に羽根なんて持ち得ない。だって、ねえ。あなたには見えないんだわ。
この背中に塗りたくられた蝋が、罪と罰が。