6話
なんだか闇退治する気分じゃなくなってしまい家に引き返した。
「あのー、ところで大神って誰なんですか。」
「アハァ、なんのことでしょうか。キロロンは忘れてしまいました。」
「キロロンさん、なぜあの闇神は慌てて帰って行ってしまったのでしょうか。」
そう僕の初恋は大神の存在で散ったのだ。少しぐらい大神のことを知ったって構わないはず。
「キロロンからの注意だよー。下手に大神さまに関わった者は抹殺対象になるからー、気を付けてー。」
「別に良いんじゃないのじゃ。たまにはキロロン以外でも遊びたいのじゃ。もう大神の存在を知ってしまった関係者として遊んでいいのじゃ。」
「キロロン、空から声がしますよ。」
大神さんに会いたい会いたいとは思っていたけれどもこんなにいきなり、突然現れるなんて考えてもいなかったよ。
「大神さまの存在はー、極秘っなんですよー。それなのにこんなにー堂々としてたらー、大神さまの存在が知られてしまいますよー。」
「いいじゃないか。僕だってたまにはキロロン以外と遊びたいのじゃ。ね、いいでしょ。」
「うぅ、次の仕事の時間なのにー。あぁ、もういいですよ、いいですよ。雪と美月は大神さまと遊んでいてくださーい。」
「やったー。」
そうして空からゆっくりと落ちてきたのは五歳ぐらいの小さな男の子。
「僕は大神。よろしくなのじゃ。」
「ついでに大神さまをここから連れていかれないようにー強力な結界でここは守っておきましたよー。それではさようなら。」
そうしてあっさりと大神の存在は明らかになった。あんなに隠そうとしていたキロロンがバカみたいに見えてしまうぐらいに。
「それじゃあ、一緒に遊ぶのじゃ。まずはなにして遊ぶのじゃ。鬼ごっこ、それともケンケン、それともカルタか。」
「大神はなにをしたいの。」
残念なことに僕は五歳児と遊ぶ知識を持っていないのだ。だからこういうことは本人に聞いた方が外れないだろう。
「僕はー。うーんとえーっと。」
「わ、私は手つなぎ鬼がしたいです。」
「手つなぎ鬼? 。」
「はい、鬼は二人で手を繋いで鬼じゃない人を捕まえるゲームです。」
僕は大神に聞いたつもりなのにな。
よほどやりたくて勢いで手をあげてしまったのか途中から恥ずかしさのせいで顔が真っ赤になってしまっていた。
「ならば二人が鬼じゃな。では、僕は逃げるのじゃ。」
そして大神は走って行ってしまった。僕の予想を遥かに越える速さで。
「は、早く追いかけよう。」
「はい。見失ってしまったら私達徹夜ですよね。」
「もしかしたら明日の朝まで捕まえるのに時間がかかるかもしれないよ。」
なにをしているのかゆっくりと差し伸ばされる手を掴み走り出した。
なぜか大神の居るところはすぐに見つかるのだか、なかなか足が速くて捕まえることが出来ないでいた。
と、ゆうよりもあの子供の姿であの足の速さとか予想外すぎる。
「す、少し休憩をしないか。」
「わ、私もそう思っていたところです。」
はぁはぁ、もうおじいちゃんは疲れたよ。孫の早すぎる成長を見たおじいちゃんの気持ちってこんな感じなのだろうか。
「まだ捕まえられぬのじゃ。なんかつまらないのじゃ。他の遊びを考えるのじゃ。」
「それじゃあ、隠れんぼをしましょう。」
「わかったのじゃ、なら美月が鬼なのじゃ。」
「じゃあ行くのじゃ。」
しかし隠れんぼと行っても隠れる場所が多すぎてどこに隠れて良いのか判断に迷う。
だって中途半端に刈った草以外ボーボーに伸びてしまっているんだもの。
「もーいーかい。」
「もーいーよー。」
あぁ、勝手に答えないでよ。まだ隠れる場所を見つけていないのに。
慌てて走って隠れた。
「もーいーよー。」
仕方がない、諦めよう。
ところでどこに大神は隠れたのだろうか。すると大神と目が合った。
口に手を当ててシッとしている。大丈夫だってそんなに簡単にばれないから。
「はい、大神さま見つけました。」
え、早くない。なぜか大神さんはめっちゃくっちゃ睨んでるし。そしてなぜ僕のことを見ない。こんなに近くに居るんだから見えるはずだろ。
「はぁ、主さまはいったいどこに隠れたのでしょうか。」
「以外に近くにいたりするかもしれないのじゃ。」
チラリと僕を見た。口だけ動かしてなにかを伝えようとしているのはわかるがわからない。
「主さまはいったいどこへ行かれたのでしょうか。隠れんぼをするならば場所に区切りをつけた方が良かったですね。」
探しましょうと、大神の手を引いてどこかへフラりと行ってしまった。なぜ、気付いてくれないのだ。
僕は美月の目と鼻の先に居るじゃないか。見つけてよ。なんで、
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