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神様になった少年  作者: 雪都
5/8

5話

いきなり現れたキロロンは僕と闇野の間に割り込んできた。


「相変わらず悪趣味だな。」

「こーれーはー、罰ゲームなんだからしょーがないのー。」

「その服を着たまま妾に近づくなよ。」

「えー、ひどいよー。これは罰ゲームなんだから、ね、雪。」

「.............................。」


それに関しては残念ながらなにも言えないんですよ。というよりさっき自分の姿を見て倒れたよね。

その時の自分の姿を見てなんか上着を来てたよね。反省する気はないのかな。


「あ、とにかく二人とも離れた、離れたー。大体僕達はお互いに不干渉で今まで居たじゃないですかー。闇神さま。」

「うるさいな。光神さま。妾が助けねば雪は死んでいたのに」

「おやおや、いっつのまにー、名前を呼び合うほどに親しくなったのですかー。」

「妾は雪が好きになってしまった。だから雪を親しい名で呼び合うのは普通であろう。」

「...................それ、本気で言ってますか。と、言うか、雪のどこが好きになったのですか。」


心なしかキロロンの顔が引き吊っているように感じてしまうのは何故だろうか。しかも言葉が若干片言な気がしてしまう。

しかし闇野は若干照れているのか頬を赤くした。


「ん、なんとなくだ。」


え、そんなものなの。


「いやー、これ、スクープものですよ。闇神と光神が惹かれ合うなんてー。アハハハハ。冗談とかなしですよね。」

「妾が冗談を言うと思うか。」

「ですよねー。で、雪くんはー、好きなのー。」


え、そんないきなり話題を振られても。

てか、告白されたのなんて初めてだし。


「考える時間がほしいんだけど。」

「では早速妾とデートだな。デートコースはどこにしたい。さぁ、今すぐ言え。」

「えーっと「ストープ、二人とも離れてって言ったよーねー。」

「変態神は少し寛容な心でこの愛の行く末を見守ってみたいとは思わないのか。」

「変態神じゃないですしー、罰ゲームですしー。確かに面白そうだとは思うけど、なんかすごい量の始末書を書かさうだからダメー。」

「その格好のどこが変態じゃないと言えるのだ。」

「だってこれは罰ゲームでー無理矢理着せられたからー仕方がなーいじゃーん。むしろ被害者なんだからいたわってよー。」

「その姿で近寄るな。」


このとてつもなく不毛なケンカを見て一つわかったことがある。

神って人間の感性を持っているんだ。うん、なんか神って感じが全くしないな。

なんか、もう、むしろ、ただの子供じみたケンカをしているこう大人みたいな感じしかしない。


「 神々しさの欠片もないな。」

「はぁー、主さま、私は疲れました。一回家に戻りませんか。とても眠いです。」

「ほっといていいと思うかな。」


ヒートアップしつつある口喧嘩をちらりと見た。あの中に加わるのはとてつもなく疲れてしまう気がする。

しかし告白の返事をまだしてはいないのだ。早く答えを出そうとは思うが会ったばかりなので答えが全くでないのだ。


「どうしようかな。」

「もうどうでもいい。妾と恋人になろう。」

「え、私が寝ている間に何があったんですか。しかも相手は闇神なんですか。

もう、これ修羅場ですよね。なにやってんですか愚主さま。女関係でこんなにもめている神は愚主さまだけだと思いますよ。」

「いや、あの、」

「おや、嫉妬しているのか。」

「してない!!」


そんなに大きな声で反発しなくてもいいじゃないか。確かに嫌なのかもしれないけどさ。


「さぁ、雪、返事を言え。妾は返事を待っているぞ。」

「人の話を聞けー。闇神と光神はどちらも不干渉だっていってんですよー。」

「なんで。」

「昔から続く神にとってのー決まり事だからですよー。」

「雪の気持ちを教えてください。」


きらきらとした目で言われても、まだわからないし。


「僕はまだその、闇野と会ってすぐなのでいまいちわからないよ。」

「よ、優柔不断神ですねー。」

「ってことは恋人になってくれる可能性有りですね。」

「はぁー、もうやだ、この二人の相手。」


キロロンは涙目になってこちらを見ていた。しかし相手の気持ちを踏みにじることは許されないし。


「ところでこの主さまを好きになった理由はなんですか。」

「直感ですよ。こう、グググって来たんです。なんかこう親近感みたいなそんな感じでしょうか。」

「それだけですか。」

「ええ、」


すこしだけ憐れむような感じで美月から見られたがどうしたのだろうか。少しだけ気になる。


「と・に・か・く、二人とも接触禁止ですよー。もしかしたら大神が出てきてしまいますからねー。

そーしーたーらー、二人のお命の保証はできかねませんよー。」

「なら、諦めるしかないか。思い出せば儚い恋だったな。さようなら、雪。」

「あ、さようなら、闇野。」


さっと、あまりにもあっさりといままでのことはなかったみたいに去っていってしまった。


「あ、さようなら。」


そうして僕の初恋? はあまりにあっけなく終わった。

ついでに僕の、


『さっきまでのあれはなんだったのーーーー。』


と、言う心の叫びは全力で無視して良いだろう


声に出してしまった瞬間に恥ずかしくて悶えて死にたくなるような声った気がするから。

ここまで読んでくださりありがとうございます

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