事情説明
部活初日。
亮斗と慧也は部室である二年五組へ向かっていた。
「顧問の先生はわかってくれるかなー。」
「多分めっちゃいろいろ言われるんやろうなー。」
教室につくとすでに先生はいた。
小柄で身長低くてショートカットが良く似合う美人な先生だ。
「…失礼しまーす」
それまで黒板の文字を消していた先生がこちらを向いた。
「あ、どーもー」
亮斗と慧也が教室に入り、早速床に腰を下ろすと、イスにすわったら?と言われたが、ありがたく丁重にお断りした。
「すぐに立つし」
亮斗のその言葉に疑問を持ったらしく先生は「どういうこと?」と首をかしげた。
亮斗と慧也は顔を見合わせてお互い心の中で「キタ…」と呟いてから今までのいきさつを全て先生に話した。
「あー…なるほどねー。でもそれってやって何のいみがあんの?」
「もし敵が襲ってきたときのための護身術」
「え、そんな敵って…」
「おるんやって!」
先生は若干引き気味で「へー」と言ってから、
「じゃあとりあえず今日はあなた達がどうやってこの部活をするのか見学さしていただくことにするわ」
と言った。
比較的話がわかる先生らしく、亮斗達はほっと胸をなでおろした。