プロローグ
プロローグ
この世界には、魔法というものが存在していた。
時には人を助け、そして時には人を殺す。
いつしか魔法は恐れられ、そうして今まで崇められていた魔法使いは一気に人間の敵となった。
魔法使い共を封印しろ、と。誰かがそう言った。そうすると、周りの人も賛同する。それがどんどん広がって――世の中にいる魔法使いは、全員封印されることとなった。
魔法は絶たれた。
誰もが、そう思っていたのだ。
時がたつにすれ、人々は忘れていった。魔法の恐怖も、封印されたという過去でさえ、興味などもたなくなった。
その当時の話をすれば、時代遅れだと笑われる。
人々は今の生活に満足していた。昔のことなど忘れ、あんな過去があったということも自分達には関係ないと笑い、毎日を過ごしていた。
*
そっと自分の手を見ると、確かにそこには手があった。自分の思い通りに、動く。
笑える。喋れる。
自分の顔に笑みが浮かんでいることに気づいた。
足を踏み出し、窓を開く。大きな、大きな世界が見えた。
これは全て、私のもの。これからやっと、始まる。
きっと彼も喜んでくれるだろう。きっと彼女は協力してくれるだろう。
私は満面の笑みを浮かべた。
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