表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

第二話 導きの神、猿田彦命登場




「ずずー・・・。おいしい。あ、自己紹介するね。私天照大御神、よろしく」

「さっきとずいぶん雰囲気が違うな・・・俺は名前言わなくてもあんた知ってるだろ」


彼、伊集院いじゅういん しょう彼の目の前に座ってお茶をすすっているのは幼馴染の天野あめの そらの身体を依り代にした神。

かの有名なあの天照大御神様だ。


「ド派手な登場にはびびったわ・・・」

「威圧的な登場のほうがインパクト強いでしょ?」


天照はにっこりと笑みを浮かべる。


「ああそうですか・・・。で、空の身体は大丈夫なんだろうな」


いい加減そうにそう言い、少し上半身をかがめ睨み付けるようにして天照を見据えた。


「心配ないわよ。ただ、しばらくの間私の依り代として身体を借りるけど。この子、意識はっきりしてて今私たちの会話ちゃんと聞いてるから」


その言葉を聞き身体の力を抜いて腰掛けていたソファーの背もたれに寄りかかった。


「そうか、ならよかった。で、詳しい話を聞こうか」

「うん。・・・・何から話そうかな」


少し頭を悩ませ天照は顔をしかめた。


「私の父、イザナギノ尊がこの中ツ国、つまり日本のことね。ここを再構築するために国を破壊するって言い出しちゃって」


イザナギノ命そこそこの知名度のある神だ。

天照大御神の父はイザナギノ尊。

古事記にはイザナギノ尊が左目を洗ったときに生まれたのが天照大御神としるされている。


「私は止めたんだけど、言い出したら聞かないの。あの頑固じじぃは」

「なんか、軽い感じで言ってるけどつまりはこの国が滅亡するってことだろ?てかにわかに信じがたい・・・」

「私がこうしてこの子の体を依り代にして操れるっていうありえないような現実、証拠があるじゃない。信じろ!」


天照は片手を胸に当て熱弁する。


「う、うん・・・で。あんたは何しにきたの?私のためだとか空のためだとか、この国のために戦えってどういうことだ?」

「私は、父上を止めるためにきたの。ていうか、あなたに拒否権はないわよ」

「拒否するつもりはないよ。空の身体が心配だからな」


後半声音を変えた天照に少々びくつきながらでも表では平静を保ってそういった。


「よくわかってるじゃん。素直にいうこと聞いてくれる子はおねえさん大好き」

「ふざけないでくれ。で、具体的にはどうすればいいんだ?」


照が天照の目をまっすぐと見据えた。

すると天照は不適な笑みを浮かべ照の質問に答えるべく口を開く。


「心配しなくても、この件は賛成派と反対派でちゃんと分かれてて私たちでどうにかしなくちゃいけないってわけじゃないの。だからちゃんと見方もいる。今一番近い味方の神は猿田彦命かなー」


一口お茶を啜って


「まずはその味方に接触して、それからよ。多分まだ時間はあるから」

「猿田彦・・・か。じゃぁ、もうひとつ。お前俺に力をやるって言ってたけど、どういうことなんだ?」


次々と質問をする照を品定めするような目で見て、満足げに微笑み答えた。


「私があなたの元に来た理由から話したほうがいいかな。

あなたの名前『照』これはテルとも読めるでしょ?天『照』大御神。私の名前から文字を取った者の元に現れる。これにはちゃんと理由があって神の名から文字を取って名前にしている者が一番力を存分に発揮してくれる存在だから」


そして、その名前に余計なものがついてなければついてないほど力を引き出せる。

照は漢字一文字で、余計なものはついていない。これは『純名じゅんめい』と言って神の名前の文字以外のものがついてない名前のことで神の力を引き出しやすい名前のことである。


一拍おいて、また口を開く。


「それで、私がこの天野あめの そらの身体を依り代にしているのは、その力に関係するから」


天野の天、高天原、天照が存在する国を指す『空』。

これを『存名ぞんめい』と言う。ここは役割を示している名でも依り代としては適している。

依り代として最も適していて、純名の者の近しい存在だから天照の本来の力を引き出しやすい。

力を引き出す、純名。天照の存在を示す存名。これらが揃って最強の戦士になる。

二人はベストパートナーと言って良い。


「で、戦い方はいたって簡単。普通にやればいいの」

「普通にって、どうやって武道の心得もあるわけじゃないし。なんかよくアニメとかに出てくるとんで能力とかない?」

「あるにはあるが、実際戦った方が早いよ」


一通り説明し終えた天照はスッと立ち上がり


「じゃぁ、空も眠いって言ってるし私たちは寝るね。お休み伊集院 照」

「あ、あぁおやすみ」


天照はリビングを出て空の部屋へ行ってしまった。

照は冷蔵庫にラップして入っていた空が作ってくれた食事を取り出しレンジで暖め食べた後、部屋に戻り天照の言っていたことを脳裏に再生する。


「やっぱり信じられないな。てかアニメ知ってんのかよ・・・」


ボソッと呟き「朝目覚めたら全部夢でありますように」と軽く願い今度こそ眠ろうと目を閉じたら天照が来る前と違ってすぐに眠気が襲ってきた。









「・・・・すぅすぅ」


時刻は朝6時。

腕の痺れで目が覚めてしまった照は隣で規則正しい寝息をする少女に目を向ける。


「なんで・・・」


呟くがそれは声にならず消えてしまった。


「んー・・・・」


背を向けていた少女は寝返りを打ちこちらを向いた。

その少女の顔に見とれてしまい硬直して動けない照は実に羨ま・・・不憫だ。


とりあえず、おきないようにベッドから出ようという考えにいたった照はそっと少女の頭を上げ腕を抜く、そのとき


「ん。はよ~」

「・・・お、おはようございます。空様よいお目覚めで・・・」


おきてしまった。

空と呼ばれた少女は照の幼馴染で昨日天照の依り代として身体を使われていた少女だ。

どうやら今、天照ではなく空のほうが表に出ているらしい。


「うん・・・って何であんたここにいんの」


空は頬を赤らめさせ不機嫌そうな口調で言った。


「えっと・・・んとね。ここ俺の部屋で俺のベッドなの」


子供に言い聞かせるように言い、空の攻撃範囲がへ退避しようと距離をとろうとするが腕をつかまれ逃げられないでいる。


「こんのっ」


空が右手を振りかぶって照を殴ろうとした瞬間、二人の頭から声が響いて聞こえてきた。


『ふはぁ~・・・。二人とも起きるのはやいね~』


寝ぼけたような声に空は気が抜け振りかぶった拳を下げた。

それを見て照はホッと息を吐き声の主に助けを求める。


「天照、助けてくれよ。寝ぼけて俺の布団にもぐりこんできた空が何を勘違いしたのか俺が空を連れてきたと思い込んで怒るんだ」


子供のような言い方に空は若干イラッとするが、照自身もイラッとしているだろうと思ったのか抓ろうとしたが、やめる。


『あぁ、それなら私が照の布団の中に入ったのよ』

「「はっ?じゃぁ俺(照)のせいじゃないじゃん!」」


天照の言葉にびっくりして二人は同時に言った。


『いや、一緒に寝食を共にしたほうがいろいろとパラメーター上がるし、後々楽になるから仕方ないよ。今度っから一緒に寝てね』

「いやいやいやいやいやいや!だめ!むり!ぜったいだめだから!!」

「そうそうそう!いくら俺でも命がいくつあったって足らないよ!しかも恋人でもないのに・・・!」


からかうような口調の天照の台詞に空は顔を真っ赤に、照はとんでもないといったような、青い表情をして抗議した。


照は昨日、恋についてちょっとばかし頭を悩ませたばかりだというのに・・・なんでという気持ちでいっぱいだった。


『しかしねぇ、父上を説得するにはこれぐらいまでして力を付けないと無理だからね。どうしようもないよ』

「どうしようもないのか・・・」

『うん』

「どうしても?」

『うん。どうしても』

「どうしても、だめ?」

『かわいく言っても男が言ってたら意味ないよ。どーしてもダーメ』


一緒寝ないとだめなようだ。


―――――ジリリリリ


けたたましい目覚まし時計の音がそろそろ起きる時間だと鳴りだした。


「お、ちょ、丁度おきる時間だ!俺ぎりぎりでセットしてて、さっさと準備して学校いかなきゃっ!」


わざとらしい棒読みで布団からでてテーブルの上に丁寧にアイロンまでされて畳まれている制服を持ち勢いよく部屋を出て行った。

照が出て行った後天照は空の中でクスリと笑い、


『恥ずかしがってるなんて、ウブでかわいいじゃん』

「・・・・うん」


うつむき加減な空がそれに小さな返事で同意する。


『そら?』

「えっと・・・う~」


うつむく空の耳が真っ赤に染まっているのに気づいた天照は空からポッと離れ出て、小さな妖精の形をして出てきた。


「ほほ~・・・なんだかんだ言って嬉しかったのかな?それとも恥ずかしい?」


ニヤニヤといやらしい笑みを浮かべからかってくる天照をつかんだ。


「う、うるさいなぁ!もう!その妖精みたいな格好ができるならその格好でいてよ!てか、違うんだって!嬉しいんじゃなくて恥ずかしっ」

「おい!そら!時間がなくなるから早く準備っうおわ!?」

『「・・・・」』


なんというタイミングで来たんだと二人して照を殴り、空と天照は部屋を出て行ってしまった。




*




二人に置いてかれ遅刻ぎりぎりで教室に着き出席もとりおわり早速一時限めが始まろうとしていたとき、照の目の前にひょこっと天照が現れた。


「うおっ」


あまり大きい声を出さずに天照をわしずかみし、周りに見えないように制服の胸ポケットへ突っ込む。

突っ込まれた天照は神に対する無礼な扱いを・・・と気にしていないのか目を丸くしながら言った。


『へーここが学校かー。昔はこんな縦長な机じゃなかったのになー木だったよ?私が久しぶりに下界に降りたときはー』

「それは昔の話だろーってちっちゃい虫みたいな格好ができるなら空の中じゃなくてその格好でいろよ。てかなんてこっちに来てるんだよ。空んとこいけよ。周りに変な目向けられるだろ」


絶賛授業中。

ものすごい小さい声で会話する不思議の国よろしく妖精姿の天照に、寝たふりをして天照とこっそり会話する照。

そこで照は少し顔を上げ周りを見渡し旧友、結城ゆうき 明彦あきひこがいないことに気づいた。


「ん?明彦がいねぇな・・・・珍しい・・・」

『明彦・・・か。神卸しとしての名には適しているけど・・・びみょーだな・・・』

「ん・・・?明彦がどうした?神卸しって?」

『神卸しって言うのは照みたいな立場の人。照は私の力を自分の体に落としてその力で戦うの。ある意味「神卸し」でしょ?』


天照のその言葉に照はなんともいえぬ嫌な汗が流れた。


「ってことは・・・・明彦も巻き込まれてるって言うのか?」

『いや、分からない。けど可能性はある。彦って名前なんてどこにでもいそうだし。けど依り代として適任な人が近くにいれば・・・』

「・・・っ」


予想外な発言にカラカラな喉を少しでも潤わそうと唾を飲んだ。

そんなとき


「すみません。遅れました。これ遅刻届です」


明彦が教室の入り口二つの扉のうちの一つ黒板側にある前の扉から申し訳なさそうに入ってきた。


「どうしたの?珍しいわね遅刻してくるなんて」

「いやー、ちょっと昨日ごたごたがありましてー」


笑顔でごまかす明彦。

なんら変わってそうな様子のない明彦を見て少しほっする照は、顔を上げて明彦を自分の隣の席へくるよう誘導した。


「本当に珍しいな。お前が遅刻するなんて」

「俺だって人間だぜー。寝坊するときぐらいあるさ」

「寝坊とはこれまた珍しい」

「おう。ちょっと昨日の夜な・・・っ!?」


明彦がしゃべりながら目線を机にずらしたとき、偶然にも照の胸ポケットが目に入った。

そして、そこに先ほど突っ込まれた天照がいるのに気づき、息をヒュッとのんだ。


「・・・・・まさか。照、お前も」

『ふーん。私が見えるってことは、どこかの神に目付けられて神卸しの力をもらったみたいね』

「おいってことは・・・じゃぁまさか明彦も・・・俺と同じっ」


照が言い終わる前に明彦が勢いよく立ち上がり照の腕をつかんで無理やり教室を出て行くが先生に止められる。


「ちょっ!ふたりとも!!まだ授業中!」

「すみません。ちょっと照の体調が悪くて、保健室まで付き添ってきます」

「そ、そう。お大事にね」


先生、そんなんでいいんですか。もっと怪しみましょうよ。

教師を軽く交わし保健室に向かうかと思いきや、屋上に向う。


「お、おい・・・」

「いーから黙ってついて来い」

『強引な殿方は嫌われますわよ』

「やめてくれその喋り方気持ち悪いから・・・」


明彦は天照と照の軽い会話のやり取りに気にも留めず屋上の扉を開ける。

そして、照に逃げられないよう扉側に立った。


「一方的に俺の質問に答えてほしい。照お前は俺の味方か?」


質問を投げかけられた照は逃げたくなるほどの旧友の殺気に後ずさりながらも答える。


「何、言ってんだ・・・敵も味方もないだろ。強いて言えば俺はお前の味方でありたい」

「そうか。照。猿田彦命ってしってるか」

「明彦、お前やっぱり・・・っ」


おなじみの解説を入れよう。

猿田彦命さるたひこのみこと。天照の孫にあたる邇邇芸尊ににぎのみことが天降りしようとしたとき、高天原から中つ国を照らした神である。

導き、道案内の神ともいえる神である。


「猿田彦は導きの神でな。俺の妹、導奈みちなは依り代として適していた。んで、今、導奈は眠っておきないんだ。」

「な!?天照!どういうことだ!!」


照は驚愕する。

導奈とは明彦の妹で結城ゆうき 導奈みちなと言う。

照とも面識はあり、貧弱で体が弱いがそれを微塵とも感じさせぬ元気な笑顔の女の子だ。


「天照?・・・お前マジかよ。それ天照なのかよ」


今度は明彦が驚愕する番だった。


『・・・・猿田彦。出てきなさい』


ある意味別々の反応をする二人を横目に天照は淡々と原因の人物の名を呼んだ。


『天照大御神様。お久しゅうございます。わたくし猿田彦命は天照様にお供したいと思っております』


よく通るような男性の声が聞こえてくる。

明彦の肩から天照と同じような大きさの天狗のような者が現れた。

皮肉めいたその表情を苛立たしげににらみつける天照。


『何がお久しゅうだ。天狗め。これはいったいどういうこと』

『はて、何のことやら』

『私はお前のそういうところが一番嫌いだ。なぜ私の許可なく勝手に依り代の人間に憑く』


ただならぬ殺気に表情を崩し、ばつの悪そうな顔をする明彦はしぶしぶといった感じに答えた。


『いえ、こうでもしなければこやつらはおとなしく協力してくれないから・・・』

『子供かお前は・・・。そんなんだから協力してくれないのよ。もっとこう穏便にできないの?』


「いやいや、お前が言うなよ」と突っ込みを入れたい照であったがここで喋れば後が怖いのが天照。

おとなしく黙っていることに専念した。


『明彦君だっけ?ごめんねー私の部下が・・・。妹さんのとこに案内してくれる?何とかしてあげるから』


二人・・・いや、2匹か?

神二人・・・のやりとりに呆気にとられていた明彦はクスリと笑い


「りょーかい。妹を何とかしてくれるなら勇者でもナイトでも日本を救う救世主になってやろうじゃないか」

『まことかっ!ありがたやーありがたやー』


猿田彦は己が神なのもかかわらず、人間の明彦に対し両手を合わせ拝んでいた。


「シュール・・・。って天照さんこれから学校サボるの・・・?俺、空に怒られちゃうんだけど」

『それは・・・事情を話せば大丈夫でしょ・・・・私も怒られそう』

「俺からも何とか多めに見るように行っとくから今回だけ!頼む!」

「これだからシスコンは・・・」


説明しよう!シスコンとは・・・え?説明いらない?

お久しぶりです、一話よりだいぶ間が空いてしまいました第二話です。

何度も投稿しよう投稿しようと思ってたんですよ?

でも、バイトやテスト勉強や友達から借りたゲームだったりネトゲだったりとぜんぜん暇が取れなくて・・・。

何より、先輩ひ言われた一言が余計自分を甘やかしてしまい・・・・。

実は早く投稿したいけど忙しい、なるべく一週間以内に投稿するって描いたのに投稿できてない!と言ったら

先輩は「小説書く人なんてみんな予定の日までに書ききらないよ!w作家は締め切りに関してはうそつきだwww俺だってそうだもんw」

とw

別に先輩は作家じゃないですけど。

同じ小説を書いてる人っていうか・・・w


まぁそんなこんなで時間が取れた今日に投稿させていただきましたw


さて、次はいつになるやら。な・・・なるべく早く・・・。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ