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この作品には 〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。

Silent Checkmate

作者: ゆきの暴威
掲載日:2026/03/09

将棋の盤上では、すべてが駒の動きで決まる。

でも、恋愛の盤上には正解の一手なんてない。


この短編は、静かな夜に繰り広げられる一方通行の恋と、盤上の戦いを重ね合わせた物語です。

少し大人向けの表現がありますので、ご注意のうえお読みください。

どうしてあなたは涼しそうな表情を浮かべているの。


あなたのその凛々しい顔を見ていると、なんだかぞくぞくするの。


たまらなく、熟していて。


少しの息遣いと、一定のタイミングで繰り返される瞬き。


いつも視線は盤上だけ。私と顔を合わせてくれない。これこそ一方通行の恋なのだと。


私の右四間飛車はヒットしているはずよね。あなたは盤上でしか反応してくれない。いつも毅然とされている。


あなたの振り飛車は、たまらなくバイオレンスで、私の駒組みを全否定してくるかのように襲ってくるの。


あなたの捌く第一歩の突き捨てに、私は条件反射で取り返す。わかるの。これを取るとあなたの猛攻が始まるって。でも、それを期待する私もいて。


危うい変化がそこらじゅうに広がる。盤上は恋模様。いつになったら終わりを迎えるのか。もちろん終わらせたくない。


私は少しでも物語を紡げるように、必死で粘る。不思議なものね。私が攻め込んでいたはずなのに。


時間に追われて必死に解答を探す私と、条件反射のごとくすぐさま暴力をしてくるあなた。


あなたの平手打ちはとても痛々しく、髪を引っ張られては何度も引っ叩かれる。でもその瞬間だけはあなたと目が合うから、私は幸せ。


強引に服を引き裂かれ、壁の隅で無防備になった私を小駒で仕留めにくる。容赦ないあなたが本当に好き。



触れるほど近くなった唇を見つめて、私は最後の言葉を絞り出す。


「負けました」


命だけは許して。するとあなたはぎゅっと抱きしめてくれるの。


お姉さま。


一方通行の恋だとは知っている。あなたとはこれからも盤上で愛し合いましょう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

この短編では、将棋盤の駆け引きと恋心を重ねて描きました。

盤上でしか交わらない二人の世界を、少しでも楽しんでもらえたなら幸いです。

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