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第10話 「言い間違え」を満喫しようと思います


 練習初日。

 早くもエレナは音を出すことに成功した。安定感こそまだないものの、初日としては満点の成果である。一方のアバウトはというと...


「フォロもっかい教えて~」

「ですから霊力をこう———」

「霊力はもういいから~」

「...はあ、困ったお方です」


 元魔王としての強すぎる魔力があだとなり、うまく霊力が回らない状況が続いていた。




「それがですねー、エレ...セレナさん。オレ霊力まるでよくわからなくて」

「あらら、でもスタン爺の目に狂いはないはずだよ」


 練習1日目が終了し、エレナと別れてアバウトとフォロはエリシアの灯に戻った。部屋で休んでいるとセレナが訪ねてきた。


「そうだといいんですけどー」

「大丈夫よ、アバウト君は魔王の潜在能力があるんだから。ところで今「エレナ」って言おうとしたでしょ」

「してないっす」

「したでしょ」

「してないっす」

「だって今「エレ...」って」

「いやマジでしてないっす」

「どう思う?フォロちゃん」

「はい、間違いなく「エレ」って言っていました」

「...すみません」

「まったく。お姉さん傷ついちゃうよ?」

「気を付けます」


 そのとき突然、セレナはぐいっとアバウトとの距離を詰めた。至近距離で顔を見つめられたアバウトは、耐えられずに目線を逸らした。

「エレナちゃんとうまくいっているようね」

「え、ええ。まあ」

「ふーん」

 そしてエレナは突然立ち上がり、部屋の中をふらふらし始めた。


 一向に彼女の部屋に戻る気配がなかったので、「あのー、オレそろそろお風呂に...」と彼女に帰ることを促した。すると何を勘違いしたか彼女は、

「えー、アバウトくん。もしかして私と身体の洗いっこしたいのかな~?」

と言ってきた。


「い、いやいやそんな、別にそんなこと...」

「ほ~ら、フォロちゃん、アバウトくんのこと押さえてて!お脱がししてあげるんだから」

「承知しました」

「ってこらフォロ、承知するなぁ~!」

 そしてアバウトは地獄のような、あるいは天国のような一夜を過ごした。


満喫小噺10

 エレナ:アバウトより1歳年下。アバウトと両想い?

 セレナ:アバウトより1歳年上。ノーティの姉。

 フォロ:とにかく最強なメイド。アバウトに絶対服従。

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