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覚醒。そして絶望。


 混濁する意識の中、視界が徐々に広がって行く。どうやら先ほどの"声"の言っていた事は本当の様で、僕は"転生"をしてしまったらしい。


 いや、転生にしては不思議だ、僕を抱き抱える両親の姿も無いどころか、人間の生活圏では無いであろう事が一目で分かる、薄暗い洞窟の中なのである。


 しかも、産まれて数秒というのに立ち上がる事が出来るだけの身体と、思考能力が備わっている。これは正直助かったのだが、自分の正体が"人間"では無い事を薄々勘付いてしまう。


 『種族:◼️◼️◼️』


 うおっ......な、なんだ、突然脳内に声が......。実りある情報は一切無いけど。


 『うるさいですよ、馬鹿』


 は?


 『どうも、貴方を観測する者です。いや、この呼び名は長過ぎて不便ですよね......。女神様なんてどうでしょうか?私にお似合いでしょう?』


 いやいや、何をしれっと会話に参加して来てるんだ。お前みたいなのって大体世界のなんか深い所に関わりがあって、実は何か企んでる悪役だったり、キーマンだったりするんじゃないの!?


 『はて。』


 誤魔化すな!


 『ふふふ。最初に言いましたが、私の目的は観測なのです。貴方が速攻でのたれ死のう物なら折角の娯楽を手放す事になってしまうでしょう?なので、大変遺憾では御座いますが、私の魂を貴方の魂に混ぜ込み、強引に同行したのです。』


 混ぜ込みって......そんな事出来るのか?


 『ええ、私は全知全能なので。....と言うか、少し話辛いですね......えいっ』


 気の抜けた掛け声と共に、身体から何かが抜け出て行く感覚に襲われる。何かが抜け出た先へと視界を向けると、黒く浮いたモヤの様な塊が徐々に形を変え、小さな羽をはためかせる異様にまんまるな物体へと変貌した。


 「どうです、この愛らしいフォルムは。」


 小さくつぶらな瞳と、大きな口から覗く鋭い歯先は何処か蝙蝠に近い印象を受ける。そんな姿でドヤりと口元を歪めるので、異様な点においては一切の変わりが無いのだが。


 「貴方の身体を一部使用して分離しました。魂の繋がりを断つ事は出来ませんが、これで幾分は楽でしょう?」


 人の身体を勝手に分離するな。


 「ケチケチしないで下さい、質量で言うと髪の毛一本にも満たない程に一部なのですよ。それに、私が同行した事による恩恵も無い訳ではありません。ほら。」


 薄暗い洞窟内で異様に瞳だけを光らせる自称女神は、小さな翼を何度もはためかせ、僕の肩口へと身体を寄せた。同時に視線を空へと向けると、脳内に情報が

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