第五十三話:酒!女!青〇!
今日はいつもとは違って18時にも一話分投稿されています。
こちらは二話目です。読み飛ばしにはご注意ください。
11/11 状態の説明について不足を感じたため若干の加筆修正を行いました
第五十三話:酒!女!青〇!
「…………。スゥーッ………………はぁ~……。んぎ、ぐっ、ぬぬぬ……!」
アップデートに伴うメンテナンスが終わった20時頃。宿の一室、一人悶える少女────シヅキ。
「分かってた……分かってたよ……! どう考えても全ステータス600台はやりすぎだってことは……! でも、でもだよ!? 流石にこの仕打ちはないんじゃないかなぁ!?」
憤りを抑えきれない様子で、延々と嘆き散らしながら枕を殴り続けているシヅキ。普段飄々とした態度を取っている彼女がここまで感情的になっている訳、それは直前に行われた大型アップデート、その中の『一部スキル・装備の性能調整』に理由があった。
伝承器:妖刀『蜥蜴丸』
──不運の1Lv辺りの効果量が5%から3%に──
使用者の受ける効果も減ることになるが、そもそもシヅキにとっては40%でも24%でも大差はないため、事実上の弱体化。
〈血の剣〉
──HP消費量が30%から20%に変更。また効果量に固定値で+30Ptが追加──
──『効果中、武器種別を片手剣としても扱う』効果が追加──
武器攻撃力の増加量はHP消費量の10%であり、消費量が減少した以上は効果量もほぼ2/3になったに等しいためシヅキにとっては事実上の弱体化。
そして……
〈外器:赤き鮮烈なる死〉
──効果量が最大HPの2%から1%+固定値50Ptに──
──『被回復量-90%』効果が追加され、効果中のHP補給効率が1/10に──
──『赤き呪縛』の最大HP減少量が-90%から-80%になり、効果から回復不能状態が削除──
ステータスの増加量が減るだけではなく、効果時間の延長までもが困難になった。使用後のデメリットは軽くなったが、そもそも赤き鮮烈なる死は切り札であり、切り札を切った後のことなど大して重要ではないのだ。
〈血の剣〉も〈外器:赤き鮮烈なる死〉も、単純な効果量の引き下げではなく固定値の追加が行われている。おそらくは伸び幅を減らしつつ、習得直後からある程度有効に使えるよう効果量の底上げを行う意図があるのだろう。
だがシヅキにとって、その段階は随分前に通り過ぎた地点だ。既に極まったHP特化ビルドである以上、これらの調整は手痛い弱体化でしかない。
「ん゛ん゛ん゛ー……!! 効果量半減、半減って……!! んがあああああ!!」
シヅキの持つ手札が悉く弱体化されたのは、きっと偶然なのだろう。いちユーザーだけを狙い撃ちで弱体化調整するなど、およそ工数に見合わない愚行だ。実際、効果の弱体化がされたスキルは他にも多数存在してはいる。
それに、通常のスキルこそ補填は無しだが、外器の場合は特別に別の外器へEXP消費なしで変更できる機会を補填として与えられるらしい。赤き鮮烈なる死を習得しているシヅキも当然補填対象となっており、外器しか習得できない制限の付いた『スキルチケット1600(補填)』が運営からメールで送られていた。
だが、たとえ効果量が半減したとしても、シヅキは赤き鮮烈なる死から別の外器に乗り換える気は毛頭なかった。使い慣れていて愛着があるというのもあるが、何よりこの外器は────見た目が非常に良いのだ。
赤く明滅する体表の罅、そこから噴き出す血色の霧。強化に従って高速で動けば、後には赤色の残光がたなびく……そのビジュアルは、シヅキの心の一部分をびしばしと刺激してくる。
「……別のやつに変えればいいという話ではあるけど……あるんだけども!! わたしは……外ならぬわたしの心が"これがいい"って言ってるの!!」
強さを求めているのなら、そもそもHP特化ビルドなどという産廃臭いビルドになど最初から手を出してはいないのだ。いつだってシヅキは自分の感情を、ロマンを優先する。
だからこの怒りは、拘りを捨てられないシヅキの自業自得とも言えて────
「だからと言って、この憤りは理性でどうにかなるもんでは……ない! はぁーっ……! ………………あ、そうだ、こういうときはヤケ酒だ! お酒飲んだことないけど!!」
だが、理性的に考えて妥当なものだと分かってはいても、シヅキの怒りは収まらない。そもそもシヅキが理性で感情を制御できる人間だったのならば、最初からこんな危険な遊びに手など出してはいないのだ。
自らの抱いた強い感情。それをどう発散しようかシヅキは頭を悩ませ────ふと妙案が浮かんできた。
そういえば、先日トロールチャンピオンへリベンジを行い、『妖精のワイン』というアイテムを手に入れていたのだ。ここは"ヤケ酒"なる行為を行う絶好の機会ではないだろうか。
「……一人で飲んでもあんまり面白くなさそうだし……よし、ここは────」
◇◇◇
「なるほど? それで私を呼んだって訳。……大型アプデ直後にやることじゃなくない?」
クレコンテッタの街の片隅、最早お馴染みとなった待ち合わせ場所のテーブルベンチ。顔を会わせるなり、やってきたイルミネから厳しい指摘が飛んだ。
彼女からじとりとした目つきを向けられるが、その反応を見て尚、シヅキは内に秘めた憤りが急激に逓減していくのを感じた。
「んふふ、そう言いながらもなんだかんだ来てくれる辺り、やっぱりイルミネってわたしに甘いよね」
「……ま、あの調整内容を見ちゃったらね。あんたの主力スキルが二つともナーフされてたし、多分かなりヘコんでるだろうなとは思ってたから」
「ん~、まぁね。あ、そうだ、これおみやげ。北の第四フィールドの食材だからたぶんレアだよ」
そう言って、シヅキはトレード機能を呼び出しイルミネへ食材アイテムを大量に送り付けた。
これらは主に『白銀聖峰域』のエネミーから手に入れたものだ。汚染された霊廟での稼ぎ作業の傍ら、シヅキは時折気分転換にフィールドや他のインスタンスダンジョンでの狩りを行っていた。
それなりの種類の食材を、ある程度まとまった数手に入れることができたのはそのためだ。気分転換にしては少し脱線が過ぎたとも言える。
「鹿肉、兎肉、冬野菜に天然水……どれも質が良さげだけれど、空想食材はあんまりないわね?」
今回イルミネに渡したアイテムに、空想食材────現実には存在しない食材────は含まれてはいない。まぁ、いくら脳に直接働きかけるVRゲームでもデータを考えるのは人、あるいは人に作られたAIなのだ。現実に存在せず、それでいて人の味覚に合う食材などそう沢山思い付くものでもないだろう。
「ま、全部雑魚産だからねぇ。空想食材はボス泥限定って縛りでもあるんじゃない?」
シヅキがそう答えると、ふぅんと気のない返事が返ってくる。イルミネの興味は既に食材の方に移っているらしい。
「あ、お酒に合う軽くつまめるものがいいかな。どんなものがお酒に合うのかなんてわたしは知らないんだけども」
「そんなの、私も知らないわよ。ま、適当にそれっぽいものを作るわね。……ところであの調整、実数値的にはどれくらい変わっちゃったの?」
どうやらイルミネはアップデートの告知文を見た時点でシヅキのことを心配してくれていたらしい。まぁ、シヅキもそれを見越してイルミネを誘ったところはあるのだが。
イルミネの顔を見られた時点で、シヅキの目的である感情の昇華は半ば達成されている。だが、こちらから呼び出しておいて目的を達成したのでもう用無しですというのはいくらなんでも自分勝手が過ぎるだろう。
シヅキはインベントリから『妖精のワイン』を取り出し、出てきた陶器の壺からグラスへと注いでイルミネに手渡した。
「ほら、そのへんはとりあえず飲みながらにしようよ。かんぱ~い」
「まぁ、そうね。乾杯。んくっ……あら美味しい。お酒ってイメージと違ってあんまり甘くないって聞いてたけど、これはかなり甘いのね」
ワインというからには葡萄色を想像していたが、壺から注いだ『妖精のワイン』は淡い黄金色とでもいうべき色合いだった。
シヅキはリアルでは未成年であり、料理もしないため酒には詳しくないが、これは所謂白ワインというやつだろうか。甘さが強く、かなり飲みやすい。
イルミネも同様の感想を抱いたのだろう、くぴくぴと勢いよく飲み進めている。
「白ワイン?みたいだし、この種類のお酒は結構甘いやつもあるらしいよ? まぁわたしはリアルでも飲んだことはないから又聞きの知識でしかないけど。で、なんだっけ。実数値?」
「そ。HP特化ビルドってかなり珍しいから、そういう詳細な情報ってほとんどないのよね。……んくっ」
シヅキの功績により、HP特化ビルドを始めるプレイヤーはそれなりに増えている……はずだ。とはいえ、外器を習得しているほどに習熟した者は未だ数少ないだろう。
実数値を気にするイルミネの気持ちは分かる。
……実際の弱体化量に直面することになるため、シヅキはアプデ告知から今に至るまで、詳細な計算は避けてきた。だが、何時までも逃げ続けている訳にもいかない。覚悟を決め、シヅキは暗算を行う。
「えぇと……ごくっ。ふん、ふん。そうだね、血の剣が効果量912から638、赤き鮮烈なる死が608から354……かな。うーん激減! ……ごくっ」
「はぁー、かなり下がってるのね。んくっ……。まぁ、厳しいことを言うようだけど全ステータスが+600もされてる今までがおかしかったんじゃない? ……んくっ、んくっ」
……シヅキとイルミネにこれまでアルコール類を摂取した経験はなく、当然、飲酒という行為は"ペース配分"を考慮すべきものである、ということも全く理解していなかった。
妖精のワインがとても甘く口当たりまろやかな……非常に飲みやすい酒であったことも相まって、二人はジュース感覚で────つまりは非常にハイペースで────ワインを消化していた。
ちなみに、UGRにおいて飲酒時の酔いは『酩酊』という名の状態異常で再現され、また、現実のそれとは違い、アルコール類の摂取と酩酊の発生はほぼ同時に処理されることとなる。本来存在している、酔いが回るまでのタイムラグが失われているのだ。
……そう、つまりこの短時間でシヅキ達は、最早自分の状態すら正常に判断できないほどべろんべろんに酔っぱらってしまっていた。
「それは~……そう。なんなら効果量400Ptくらいのときにはもう魔族も倒せちゃったしね~。……あれ? 600Ptだっけ? ……まあいいや。弱体化もしかたなくはあるんだろーけど、感情的に納得できるかどうか~っていうのは別なんだよねぇ~」
あのときのHPは……確か2万ちょっとだっただろうか。いや、既に3万に達していたか?
なんだか思考に靄が掛かったようだ、今日のことのはずなのに、数字が上手く思い出せない。シヅキは小首を傾げた。……その目はとろんと緩んでいる。
「ふぅん……。んくっ、んく…………っは!? アンタ、魔族を倒っ、げっほ、ごほっ!」
シヅキがぼんやりと数字について考えていると、横でイルミネが盛大に咽た。そうか、そういえば魔族は凄まじく強いエネミーなのだった。それを倒したと急に言われれば、それはそれは驚くだろう。
そう考えたシヅキは座る位置をずらし、イルミネの背をぽんぽんと叩いた。頬は緩み、にこにこと気の抜けた無邪気な笑顔を浮かべている。
「んえ~、イルミネ、だいじょぶ?」
「あ゛~……、けほっ。もう、いきなり凄いこと言われるからびっくりしたじゃないの! ……お仕置きよっ!」
横に座ったイルミネがぴたりとシヅキに密着し、かと思えばその両腕でシヅキの体表、腋や背中をくすぐってきた。
触れるか触れないかの絶妙な手付きはどうにも耐え難く、シヅキはひくひくと引き攣った笑い声を上げる。
「んひひひひ……! やめっ、やめて~!」
「悪いのはこの口か~!」
「ん、むぅっ……!?」
横に座るイルミネから逃れるようにテーブルベンチに横になるシヅキ。だが、それを追いかけるようにイルミネが上にのしかかり、悶えるシヅキの口を自らの口で塞いできた。強い酒の匂い。アルコールのせいか、互いに頬が上気しているのを感じる。
シヅキの身体をくすぐるイルミネの手は、いつの間にか手つきが少し変化していて────
◇◇◇
「だめ、だめだめっ!♡ ここ外だからっ、ほかの人が見て──」
「これはおしおきなんだから、アンタが恥ずかしい思いをするのは当然でしょ~? そらそら~」
「あっ、あっ、あっ────」
◇◇◇
「はぁーっ……はぁーっ…………」
「……あら? 急に酔いが抜け…………あっやばっ」
不意に正気を取り戻したイルミネの目に映ったのは、衣服がはだけたままベンチに横たわり荒い息を吐くシヅキの姿。
その身体は汗と唾液と何らかの液体────UGRにおいて、発汗はそれが必要とされるような特定の状況でしか発生しない────でてらてらと艶っぽく輝いている。
ふと違和感を感じたイルミネが自身の右手を見ると、そこには粘性を帯びた、謎の白みがかった液体が。
それらを認識した途端に先ほどまでの自らが行っていた行為が脳裏に蘇り、イルミネの顔が盛大に引き攣った。
……そう、イルミネは日頃強靭な理性で抑え込んでいるが、実のところ性的欲求が殊更に強かった。だが────本能的で貞操観念の緩いシヅキと比べて────イルミネは非常に理性が強く、普段その気質が表に出ることはない。
それが今回、アルコールによって気が緩んだのを良しとして表へと出てきてしまったのだ。そして……理性で抑え込んでいる、それはつまり、抑圧され続け、欲求がより肥大化しているということを意味している。
肥大化した欲求の被害者となってしまったのが誰とも知らぬ人間などではなく"友人"であるシヅキだったのは、せめてもの幸いといったところだろうか。
いや、被害を受けた当人としてはたまったものではないのだろうが。
「もう二度と……イルミネとはお酒飲まない……!」
「わああぁぁごめんなさいシヅキ! お酒飲んだらなんだか無性に昂っちゃって……!」
「外で……人の目があるところで無理矢理するなんて……!」
普段の快活とした様子は見る影もなく、シヅキは顔を手で覆い、しくしくと悲しみながらイルミネへ向けて怨嗟の声をあげている。だがそれも当然だ、まさか公衆の面前でこんなことをしてしまうとは……
「その……今更詫びてもどうにもならないかもしれないけど……! わ、私にできることならなんでもするわ! だからどうか……」
確かにイルミネはシヅキを慰めるために来たのだが、断じてそういう意味で慰めたかった訳ではない。だが、既に事に及んだ後なのだ、最早どう詫びても取り返しがつかないだろう。
それでも詫びを入れない訳にはいかない。そう考え、イルミネが咄嗟に一つの提案をし────
「……んふ、ふふふ…………」
その瞬間、泣き声がぴたりと止み、笑みを抑えきれない様子の声が響いた。
「……シヅキ?」
「今~、なんでもするって……言ったよねぇ?」
イルミネが不思議そうに顔を覗き込むと、そこにはにやにやと厭らしい笑みを浮かべたシヅキの顔があった。先ほどまで泣いていたはずだが、その顔には涙の痕もない。綺麗なものだ。本当に、嫌になるくらいに。
「えっ、えぇー……。嘘泣き?」
「引っ掛かった~。一度言った言葉を引っ込めるのはナシだよ、イルミネ? ……ちなみにさっきのはウソ泣きだけど、それはそれとして結構本気で怒ってはいるからね?」
「あっはい、ごめんなさい……」
「……ほら、見せもんじゃないよ散った散った! まったく……」
叱られたイルミネがしゅんと小さくなったのを見て、シヅキは満足げに息を吐いた。そのまま周囲に目を向け声を上げると、二人の情事を遠巻きに見ていたプレイヤー達が一斉にさっと顔を背け、あるいは足早に立ち去って行く。
シヅキとしては見学料でも請求してやりたい気分だが、流石にそれをできるほどシヅキの面の皮は分厚くはない。
「うぅん、とはいえ今すぐ何かは思いつかないな。保留で」
「はぁ、分かったわ…………。……? あれっ、あ、そうか……そういえば……」
「……? どうしたの?」
小さく萎んだままのイルミネが、ふと何かに気付いたようにぼそぼそと呟いた。彼女は今の今まで意気消沈していたはずだが、気を取り直したように顔を上げ、シヅキに向けてとびきりの笑顔を向けてきた。
とても可愛いが、何か嫌な予感がする。
「ねぇシヅキ! 新しいイベントやる気ってある? 良かったら一緒にやらない?」
「……えっ、この流れで誘うの!? イベントに!? 嘘でしょ!?」
イルミネは急にイベントへの共同参加を提案してきた。その完全に予想外の発言に、シヅキは思わず本気の狼狽を見せてしまった。
盛大なやらかしをしておいてすぐにイベントに誘うとは、一体どういう心持ちなのか。シヅキでも流石にそんなことはしない。多分。
「いや……だって冷静になって考えると、UGRの仕様上、シヅキが本気で嫌だったのならさっきのあれは起こってないじゃないの」
「あっ」
UGRの仕様────『性行為は両者の同意がなければ絶対に成立しない』。それは強みの関係上治安の悪めなUGRにおいても絶対のルールであり、なにをどうやっても突破することはできないものだ。
これの存在そのものが、先ほどの行為に対するシヅキの意思────本心では嫌がってはいなかった────を代弁しているともいえる。
「あー、えー…………。あっ、そう! 今回のアップデートで新しいオプション項目の追加があったじゃん? ほら、『性行為の許諾スキップ』っていう、オンにすると自分側の許諾だけは必要なくなるやつ! あのM……被虐願望持ちのプレイヤー向けの設定をオンにしてたんだよ、わたしは!」
バージョン1.10アップデートでは、性的コンテンツの拡充も行われている。その中でも特異なものである『性行為の許諾スキップ』、それは『本来両者の合意が必要な性交渉において自分側の許諾判定だけをスキップする』────つまり、自らの合意なく一方的に襲われるようになるという、犯され願望持ちのための設定だ。
「……いや、アンタそれ……『本心では嫌がってなかった』ことを取り繕うためにもっと恥ずかしいことを言っているみたいなものなんだけど……。気付いてる?」
「あっ、あー! いや、ちがっ、えぇと……そう! 敗者にとって尊厳なんてないから! 負けた以上何されても文句は言えないんだから、当然あのオプションだって全部オンだよ、うん!」
必死に弁明を繰り返す想い人に、イルミネは苦笑いを返す。だが心なしか、その表情は先ほどよりも幾分か晴れやかだ。
「……まぁ、元気なようでなによりだわ、ええ」
「いや別にそういう行為がされたいんじゃなくて、単純な勝ち負けの話なんだって! わたしの信条としてはだね────」
必死に弁明と言う名の墓穴掘りを続けるシヅキと、それを笑いながら聞くイルミネ。二人の賑やかな声は夜が更けるまでクレコンテッタの街角に響き渡り続けていた。
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Tips
『UGR内における飲酒行為』
UGRは18歳未満プレイ不可能に設定されているため、プレイヤーは全て18歳以上|ということになっている《・・・・・・・・・・・》。そのため、ゲーム内での飲酒行為自体には特に制限は課せられていない。
酔いは状態異常として付与されるため、その気になれば任意解除も可能。かつ飲酒量に応じて酩酊時間が変動する仕様であり酔いが後に引くこともない。
VRシステムによる脳への作用により、内臓への負担や後に残る影響なしに実際にアルコールを摂取したかのような酩酊感が得られる。そのためUGR特有の要素の中でも特に人気が高く、これを目当てにUGRをプレイしている層も存在しているほど。
なお、法的には規制されている技術である。
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