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きぐるみ羽織る、間だけ……  作者: 上村朱璃
第2章.緑兎 ( ミント ) 団 攻防
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第035縫.地下事務所での攻防

 キュルムの町のキュルミー少女達を拉致した理由、それは……2人組のひとりはビッと指を指し、こう言い放ったんです!


「俺達はな、コイツらを拉致誘拐してキュルムの町のヤツらから食料物品をせしめようとしてたんだよぉ!」


しばしの沈黙……



 盗賊団『グランプス』は、戦闘経験値を上げるほど戦闘力が増す“傭兵スキル”を有する現在唯一の集団だって……先程の潜入調査の際に、ニックからレクチャーして貰いました。


 それ故に、『グランプス』は今でも盗賊団の頂点に君臨する「雄」なんです。


 最近までブイブイ言わせていた『メフィスト』とは違い、真に力ある者は決して表に立ちません。力を誇示せずとも睨むだけで全ての盗賊団が黙り、凍り付くんです。


 でも……『グランプス』が現当主の代になってから、何かが変わってしまった様だとニックは言ってました。


 何が変わってしまったかは、ワタシもこの2人組を見ればハッキリ分かります。行動原理が短絡的で、アホ過ぎなんです!



「こんなヤツらが女の子を小馬鹿にして……食い物にして……」



 ワタシ、瞳のハイライトが消えて肩がプルプル震えちゃってます。初めて地上界に来た時以来、久し振りにプチッとキレちゃいますかぁ……?



「アナタ達の自慢のスキル、確か“傭兵スキル”でしたっけ、絶対的優位に立っていながら恥ずかしくないんですか?」



 ただ単にキュルムの町の食料物品を奪う“だけ”の超くっだらない理由で、こんな『非人道的』な事をしていたんですか!?



「もうゲンメツしました! アナタ達2人だけなら、何とか闘えます!」


「やかましいっ! 喰らえっ、アクアウォール!」


 盗賊団『グランプス』の……もういいや、2人組の1人が水魔法を使って来ました。ワタシの目の前に巨大な水の壁が、まるで津波の様に立ちはだかりました。



 でも、今のキレてるワタシの前では……



 ワタシは目の前のアクアウォールに手のひらをピタとくっ付けて、言い放ちました!


「行きます……壁ドン♡っ!」


 その瞬間、目の前の巨大な水の壁が崩壊し、“水滴の弾丸”となって2人組に襲いかかったんです!


「はがぁっ……!」


 ピント団のキュルミー少女達はみんなモフモフされていて地に伏せていたので、被害はありませんでした。


 もちろん、2人組に逃げる猶予を与えるつもりはありません。壁の木棚からオブジェを引っ張り出し、次から次へと壁ドン♡に当てて“飛び道具攻撃”として2人組にぶつけて行きます!


 案の定……ぶつけ続けられた事で頭に血が昇った2人組は、攻撃による多少の被弾は目をつぶってワタシを捕まえに来ました。


 確かに……捕まってしまえばあのキュルミー少女達みたいにモフモフされて、腰砕けで足腰立てなくされてしまいます。そうなれば、全てがお終いです。



 でも、捕まえる事が出来れば、ですけどね……



 ワタシは、捕まえに来た2人組を身構えて気を溜めて待っています。そして捕まえに来た腕をスルリと半身ですり抜けつつ、掌底突きを野郎共の1人目の顎に当てて突き抜きました!


「……顎クイ♡ですっ!」


 衝撃が脳天の向こうまで達したのか、1人目は白目を向いてしまいました。


 最初の1人目は相手が女の子だからと完全に油断していたんですが、2人目はワタシの身のこなしを見て手練だと感じたのか最初から傭兵スキルを発動してます。


 そして宙に舞ったままの1人目を隠れ蓑にして、タン!タン!とワタシに狙いを定めさせない様にジグザグに跳んで迫ります。


「これならどう……壁ドン♡!」


 ワタシは顎クイ♡した1人目を更に壁ドン♡で吹き飛ばして2人目にぶつけようとします!


 すると2人目は飛んで来る1人目を右脇横でスルリと避けて、見えない死角から鋭く長い爪でワタシの心臓を貫こうとします。


 しかし、ワタシにそんな動きは百も承知! だって、今の壁ドン♡は左腕で行ったんですから2人目の動きはまる見えです!


 つまり、2人目はワタシに誘導されてしまったんです。ワタシは刺し貫こうとした2人目の手首を取り、自ら回転して爪を避けると共に遠心力で自分の懐に呼び込みます。


「……爆走ホールド!!」


 そして、クルリと回りながら2人目の腕をキめます。これでもう2人目は逃げる事も、受け身を取る事も出来ません!


「コレで、フィニッシュですっ! ……バックハグ♡!!!」


 ワタシは、弧を描く様にクルッと回って斜め上方にブン投げて2人目を天井に激突させたんです!



グヘッ……!



 2人目は顔面を強打し、白目を向いたままボトッと天井から落下しました。でも、今の華麗な避け方といいワタシは戦闘技術も飛躍的に上達してるみたいです。


 そして、何事も無かったかの様にパンパンと埃を叩きます。


「ワタシ、ここまでモンスターの生態について何も知らないなんて……この地上界の文字に加えて、モンスターの生態についても勉強しなくちゃ……」


 巷に溢れる異世界ファンタジーみたいに、ただがむしゃらに闘うだけでは……本当の意味で強くなる事は出来ません。


 ワタシは、教訓としてココロに留める事にしたんです。











 アカリは、2人組のシャチの毛皮を剥いでみました。髪は無く、黒い目。そして、縦に二股に分かれた特徴的な尻尾。異世界サメのアダロです!



 もしかして、シャチの毛皮を身に纏っていた理由って……?

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