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きぐるみ羽織る、間だけ……  作者: 上村朱璃
第2章.妖精王 Ⅰ
24/44

第024縫.かぐら座との出会い

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【あらすじ】


 日本から地上界へと降臨した朱璃……いや、アカリ。


 降臨した先はスメルクト大陸、そこでは2つの団体が考え方の違いで衝突を繰り返してるみたいで?



【舞台】 地上界 ( スメルクト大陸 )


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挿絵(By みてみん)

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【窓枠に佇んで《アカリ》】

画:サボテン 様

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 ワタシは盗賊団『メフィスト』のメンバーを全員笑顔で()ちのめして、無事にニックの許へ戻りました。


 すると、大樹の(うろ)に隠れて様子を見てたのか……盗賊団に捕らえられてた町娘の皆さんが4人とも、手と手を繋いでゾロゾロとアカリの許に駆け寄ったんです。



「すみません、助けて頂いてありがとうございます!」


「本当に、私たちもどうなるかと生きた心地がしませんでしたわ」


「あっ、ワタシも……わひゃぁっ!」


「有難うござ……えっ、その鳥は!?」



 ニックを見て、みんな4者4様の違う反応を示します。別に、驚かすつもりは無かったのですが……


「大丈夫です、見ての通りこのコは人畜無害。ご主人さま大好きっ子な甘えんぼさんですから。なので皆さんに危害を加える事、一切無いですよ……」


 だけど、イタズラっ子になる時はありますけどねー♪ ワタシはそっとニックに寄り添い、耳許でヒソヒソ囁きました。



【ニックさんとの意思疎通は、脳内会話で事足ります。女の子達には鳥の鳴き真似、お願いします!】



 ニックは、コクンと頷きました。そして町娘さん達にひと言発して、頭を垂れたんです。



【えーと、普通の( 野生の )フェアリーバードらしく、と……】



「く、クェ……」


 それを見て安心したのか、4人とももふもふとニックの頭を撫でてくれました。でもニックったら、もふもふに若干慣れてないみたいで……



【うひゃあ! お姉ちゃん、何だかムズムズしちゃうよ、コレ……】



 ふらふら涙目になりながら、町娘さん達に聞こえない脳内会話でワタシに訴えます。特に、頭をわしわしされるのが初体験だったみたいですね。











 そして、町娘さん達4人のうちの1人が落ち着いた口調でこう自己紹介しました。


「改めて、言わせて欲しいですの……先程は助けて頂き、本当に有難うございました。私達は『かぐら座』と云う座楽団の“弾き子”をしてる者ですわ」



 あ、そういう事ですか……


 この人は4人の中でも一番年上で、みんなこの人に口裏を合わせてます。つまり、この人が“弾き子”グループのリーダーさんなんですね……



「『かぐら座』は、町から町へと渡り歩いて音楽を弾いたり踊ったりしてる小さな座楽団ですわ。でも、演奏する時以外は私達“弾き子”グループともう1つの“踊り子”グループに分かれ移動するんですの」


 確かに、こちらのアカリの世界では各国要人は必ずどちらの人間に不測の事態が起きても国を動かし続けられる様に……


「2つに分けて移動する事で、例えば今回の誘拐みたいな不測の事態が起きてもリスクを最小限に抑える事が出来るんですわ」


 日本だったら総理大臣と副総理大臣、アメリカだったら大統領と副大統領は別々のジェットに乗って移動してる、って聞いた事があります。


 たぶん、それと同じ事なんでしょうか?



「なので助けて頂いても、お礼として差し上げられる物が何も無いんですの……」


「別に、お礼なんていいですよ……それよりも、聞きたい事が有るんです。アナタ方座楽団は、確か“町から町へと渡り歩いてる”って仰ってましたよね?」


 “弾き子”の皆さん、みんなコクコク頷いてます。


「実は、この世界に来たばかりでこれから先どちらに向かって歩けばいいか分からないんです」


 ニックもつぶらな瞳で、ちょっと首を傾げる必殺のポーズで援護射撃します。


「ね、可愛いおねーさま達っ♪ ココから一番最寄りの町だけでも良いから、教えてくれませんか?」


 ニンマリ顔でにっこーってアピールするワタシの口から発せられる『可愛い』発言が“弾き子”グループの皆さんには特に堪らないらしく、お姉さん達の中にはキュン死してる人もいるみたいで……


「もぉっ、しょうがないですわねぇ♡」


 ちなみに、昔はお店の店番をしている看板娘のお姉さんにこのおべっかを使うと、量とか少しおまけしてくれたものです。


 現代だろうとこの異世界だろうと、キラーワードとしてこのおべっかは場所を問わず十分に機能を果たしてくれるハズなんです。











 すると、“弾き子”グループのリーダーのお姉さんが耳朶まで真っ赤にしながら、ワタシの耳元で囁く様にこう言ったんです。


「この世界に来たばかり、という事は……すみません、旅のお方はもしかして『転移者』の方なのですか?」


「まぁ、ココだとそういう事になるんですかね……あまり声を大にして言えないんですが。」



「クェ……」



 心配そうにひと声鳴いて、ニックはワタシに目配せを送ります。



【あまり他人に、秘密をベラベラ喋らないでー!】



「大丈夫ですよ。私達は町から町へと渡り歩く座楽団、それはもう色んな国と地域に行っていますわ。行った町で、『転移者』の方や『転生者』の方と会う事も度々あるものですから……」


 成程、だからこの異世界の住人の皆さんはいきなりワタシみたいな人間と出会っても“拒絶感“が無かったんですね。


「この世界では、『転移者』や『転生者』の方は保護対象になるんですの」


 まぁ、確かにこちらの異世界に迷い込んだばかりの人間でしたら……半日でも無事ではいられないでしょうから。


「あっ、そうだ、イイ物があるから見せてあげますわ……」











 そう言って、みんなで側にあった大きな木の切り株へ移動しました。リーダーのお姉さんは、胸元から折り畳んだ世界地図をファサ……と大きな切り株の年輪の上に広げたんです。



 さぁ、この異世界で世界地図はどんな形をしてるんでしょうか?

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