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きぐるみ羽織る、間だけ……  作者: 上村朱璃
第1章.母 Ⅲ
20/44

第020縫.バレちゃった……♡

 ガーゴイルには打撃技でも、投げ技や極め技でも通用しません。つまり、物理攻撃が無効なんです。


 本当は怖くて、逃げ出しちゃいたい! でも、ワタシがここで踏ん張らないと母とニックが……


 えぇいっ、ここでフリーズしてる場合では有りません!

 

 物理攻撃が無効なモンスターとどうにか闘おうと、自分の脳内から『胸キュン♡流格闘術』の引き出しを開けて、あらゆる可能性を探り……


「あっ、コレですっ……!」


 たったひとつだけ、まだ試してない『系統技』がある事に気付いたんです! 母の溜め攻撃も、たぶん()()()です! ガーゴイルにビッと指差します。


「ガーゴイル、この技で勝負です! この技が通用すればワタシの勝ち、通用しなかったらワタシ達を好きにしなさい!」











ギギッ……!ギギッ……!



 ワタシ自身、自ら追い込んで奮い立たせるハズのひと言だったんですけど……ガーゴイルはその言葉の意味が分かったのか分からないのか、空に向かって咆哮を繰り返します!


 そしてその後、ギン!とこちらを睨みます。



「ふぇ~、どうやら意味分かってるみたいです~」



 泣き言ばかり言っても要られません! 猛るガーゴイルが、(かざ)した手をもう一度横に振ると……


 グニャリとした空間に阻まれた追加攻撃の石が、まるで跳弾の様に一斉にワタシの方へと投げ返って来ます!


「うわっとっと……!」


 元は自分がブン投げた石が、同じかそれ以上のスピードで戻って来るんです。ワタシ、何とか全ての石を避け切ります。






 すると、投げ返った石のかけらがコロッコロッと跳ねて来て……ナルト目になってた母とニックの頭にコツン。


『う……う~ん……』×2


 あ〜ぁ、2人共どうやら目を醒ましちゃったみたいです。しかも2人の目の前でワタシとガーゴイルが互角に闘い合うという、とんでもない光景が繰り広げられるオマケ付きで!


 2人とも今度は目が点になったまま、ぽかーんと口が開いて閉じる事が出来なくなりました!











 ワタシはガーゴイルへ駆け出します、「怖い思い」を勇気に変えて! すると、今までワタシが居た場所に雷が落ちます!


 ガーゴイルの雷属性魔法を避けつつ、ワタシはガーゴイルの左側面に回り込みます。ガーゴイルが雷属性魔法を右前脚で放ってたのを見て、左に回り込めば攻撃は届かないだろうって考えたんです。


 常にガーゴイルとは少し間を空ける位置取りを意識、ミドルレンジから飛び込み攻撃するタイミングを見計らって。ガーゴイルの飛び込み攻撃が来たらスライディングで股抜き、背後に回り込みます!


 背後に回り込みくっ付かれるのを嫌がるガーゴイルは、条件反射で尻尾でワタシを跳ね上げ距離を空けようとします。なので、跳ね上げた尻尾の根元を踏み台にしてガーゴイルの首に肩車になります。


 空間陣取り合戦、詰め将棋はワタシの勝ち! その状態のまま、ワタシはガーゴイルのたてがみを優しく擦って言ったんです。


「まさか、ガーゴイルを相手に肩車出来るなんて思いもしませんでしたよ。でも、ダンスはもう終わりです。静かに眠って下さい…… “頭ポンポン♡”!」


 今迄の詰め将棋を“ダンス”と表現した朱璃は、自分の右手のひらをガーゴイルの頭に当てました。そう、「胸キュン♡流格闘術」唯一の物理攻撃無効に対応出来る『()()()』、頭ポンポン♡です!


 でも体中の全神力をかき集めたので、一発きりが限界です!



パリ……ン……



 その手のひらを通し、無数のシャンパンゴールドの“帯”がガーゴイルの体内を蹂躙して行き……粉々に粉砕したのでした!











「朱璃、スゴい……こんな事、いつの間に……?」



【お姉ちゃん、スゴーイスゴーイ♪】



 母はただ呆気に取られ、ニックは花吹雪を撒き扇で舞って自分の事の様に大喜びしてます。ワタシはバラバラになったガーゴイルの残骸を背に、辺りをキョロキョロ見回します。


「さて……ガーゴイルが無くなった所で、と……“次元の歪み”は一体、どこにあるんでしょう?」



【あ、お姉ちゃーん、あそこー!】



 ニックが見つめる先、巨大な岩の表面に黒い瘴気が滲み出るヒビが……






 一方、ガーゴイルの残骸から数10m程離れてる母も、足を引き摺りながらゆっくりとワタシとニックが向かう巨大な岩へ歩みを進めます。が……


「あ……朱璃っ!」


 その時、母は信じられないモノを見てしまったんです! 先程粉々に粉砕したハズのガーゴイルの欠片が、独りでにズズズ……と一点に集まって来るではありませんか!


「朱璃、今すぐそこから離れるのよっ!」



【お姉ちゃん、危なーい!】



 ワタシも後ろを振り向き急いでその場から離れ、巨大な岩へと駆け出しました。


 その時には、ガーゴイルの欠片も全て一点に集まり元のガーゴイル姿に戻りました。そして、元の姿に戻ったガーゴイルは空高く舞い上がり、一本松の枝に停まります。



ギギ……ギギッ!



 その時母の方を振り向くと、己の持てる知識を総動員してガーゴイルの攻略法を模索してる最中でした。考え事をすると、決まって母は親指の爪を噛むクセが有るんです。




 それにしても、何故あの一撃でガーゴイルを完全粉砕したに関わらず、又復活出来たんでしょう? こんな何度も復活するヤツを相手に、どうやって闘えば良いのでしょうか?

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