表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/74

第70話 暮葉と甘味処

 ボクのチャンネルもそうだけど、妖種系Vtuberと名乗っている人達の動画には時々不思議なものが混じっていることがある。

 例えば異世界に行ってみたとか妖精郷シリーズとかだ。

 妖精郷に行ってみたシリーズはいろんな人が投稿しているけど、大体数人が一緒になって観光案内をしたりして紹介している。


 最近話題になっているのは稲荷区にある甘味処で、美味しい羊羹やぜんざいなどを出してくれる上にお蕎麦やおうどん、稲荷寿司もあるというまさに完璧といってもいいようなお店だ。

 ちなみにボクはこのお店の焼き団子を愛している。


「暮葉様、こんにちは」

「こ、こんにちは」

 ボクに声を掛けてくれたのは稲荷区で話題の甘味処【子狐屋】の店主の娘である【さくら】さんだ。

 稲荷区には妖狐族が多いので、当然のことながらさくらさん一家も妖狐族だ。


「今日も焼き団子ですか?」

「は、はい。3本ください」

「少し待ってくださいね~」

 さくらさんが焼いてくれているので、ワクワクしながら焼き上がりを待つ。

 ボクはこの待っている間の時間も大好きだ。


 ちなみにさくらさんはボクと同じ学年なので高校三年生だったりする。

 可愛くて人気があるので男子からとてもおモテになるのだとか。

 んん~? 見た目はたしかにかわいいけど、若干幼いような? もしかして、みんなそんな感じの人が好きなのかな?


「暮葉様、どうしたんですか?」

「んえ!?」

 ボクが考え事をしているといつの間にかさくらさんが近くに寄ってきていた。

 気が付かなかった……。


「えっと。最近Vtuberにも紹介されていたな~と思いまして……」

「たしかに! この前来た子たちですね~。みんなかわいい子でしたよね~」

 妖種系Vtuberは妖精郷での見た目がV体とほとんど同じなことが多いので、誰も違和感を感じないようだ。

 まぁボクもそうだし、違和感はやっぱりないかな?

 でも、人間からしたら違和感が大きいかもしれないね。

 

「それで、売り上げとか上がったりしました?」

 ちょっと込み入った話かもしれないけど興味があるので聞いてみる。

 するとさくらさんは何とも言えないような表情で「あまり?」と言っていた。

 まぁそりゃそうだよね。

 妖種なら知っている人は知っているし、人間はそもそもこれないし。


「あ、でも」

 さくらさんが何かを思い出したようだ。


「動画見せてもらいましたけど、私にも可愛いってコメントたくさんきてましたね」

 はにかみながら少し嬉しそうにそう言うさくらさん。

 たしかに美少女だと思います。


 そういえば、妖狐には顔の造詣が特徴的な人って少ない気がする。

 さくらさんも例に漏れずだしなぁ。

 

「どんなコメントがお気に入りでした?」

 ボクの質問にさくらさんが顎に指をあてながら「ん~」と考える。


「やっぱり、お団子おいしそうとか料理美味しそうって言葉が一番かな」

 そういうさくらさんの笑顔はとても輝いていた。


「じゃあ今度ボクの動画でも紹介してみます」

「あ、本当ですか? それは嬉しいです! 暮葉様の紹介ならお屋敷の人もたくさん来てくれそうですし」

「あれ? 今も来てません?」

 結構な数の人が訪れていると思うけどなぁ……。


「はい、来てくれています。でも、暮葉様をお好きな人でまだ来ていない人もいる気がしますので!」

「わかりました。一応やってみますね」

「ふふ、ありがとうございます。そうだ、餡蜜食べていってください」

 気を良くしたのか、ちょっとお高い餡蜜をサービスしてくれた。

 さくらさん優しい!!


「あ、そうだ。さくらさんのこと、ちょっとだけ撮影していっても大丈夫ですか? ボクの友達ってこともありますし」

 ボクはさくらさんに撮影許可を求めた。

 どうせだからさくらさんも妖精郷シスターズ枠に~なんてちょっと思ってみたりしている。


「あ、インタビューですか? それ初めてかもしれません。前回とかVtuberの人が取材に来た時はお母さんとかお婆ちゃんが対応してましたから」

「あ、そういえばそうですね。動画見たりしましたけど、さくらさんがメインの回ってほとんどないというか、あまり話さない?」

 前回の動画を見たときはちょっとだけ話をしていたのを思い出した。

 家族紹介みたいな感じだったけど……。


「私メインは初めてです! さぁ、どんどきてください!!」

「えぇ~!? そうですねぇ。年齢は!」

「えっと、十八歳です! あ、でも人間年齢ではですので、妖狐年齢としては二歳くらいかな~。なので、成人はず~っと先ですよ!」

「じゃあ次、恋人はいますか!」

「いませーん! 今作ったら犯罪です!」

「確かに。じゃあ好きな食べ物は!」

「きつねそばです! おいしいですよねぇ」

「わかりみが深いです」

 さくらさんの言葉に激しく同意したい。

 欲を言えばそこにお稲荷さんも添えてほしいと思う。

 カロリーマシマシ……。


「あ、そうだ。今度妖精郷シスターズあたりに出ません? モデル用意してもいいですけど」

 なんとなく提案してみる。

 仲間増えると嬉しいなと思っていたりするので、友達を積極的に誘いたい。


「暮葉様の広告効果次第ですね~。楽しみにしてますよ! はい、おかわりの餡蜜です」

 ボクの提案にそう答えたさくらさんは、にこにこしながらボクにおかわりをおごってくれた。

 うん、とってもおいしい!!

お読みいただきありがとうございます!

ブックマークや評価ありがとうございます。

気軽に評価などしていってください。

励みになります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ