第四話
石打漁とは、
水面から飛び出している大きな岩に岩やハンマーなどで衝撃を与え、発生した振動で魚を気絶させ魚を獲る漁法である。
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「石打漁なら道具はそこらへんに転がってるしすぐに魚が獲れるはずだ」
確か異世界転生物の石打漁をやっていた作品があった
「あの作品では岩同士をぶつけてやっていたよな」
水面から飛び出している岩の一つに目をつける
「あの岩がいいかな」
そして、近くにあったギリギリ抱えられる重さの岩を持ち上げる
「重っ」
魚が逃げないように慎重に一歩一歩近づき、目をつけていた岩に登る
「よし、これで後は叩きつけるだけ」
フゥーと息を吐き呼吸を整える
「いち…にの…さん」
カウントダウンをして手に持った岩を勢い良く叩きつける
ガチンと大きな音と共に乗っている岩から衝撃がビリビリと伝わってくる
「やったか?」
気絶した魚が水面へプカリと二匹浮かんできた
「よっしゃー上手くいったぞ!」
急いで岩から飛び降り気絶した魚を取り川から上がる
獲った魚を地面に並べ、落ち着いて見る
「これはバスみたいな形の魚だな」
15センチ程度でブラックバスの様な見た目をしているが、鱗がラピスラズリの様な綺麗な青色だった
「この色は食欲を無くすなぁ、とりあえず青いしブラックバスみたいだから、ブルーバスって呼ぶか」
もう一匹の方へ目を移す
「こっちはナマズみたい」
色は普通のナマズと変わりは無い
「だけど」
爪で魚の頭を叩くとカツンと硬い音がする
「ダンクルオステウスみたい」
ゲームに出ていた化石を思い出し呟く
「頭に鎧を付けているから、ヨロイナマズって呼ぶか」
改めて二匹の魚を見る
「どっちもあまりおいしそうじゃ無いけど、お腹がめっちゃ空いてるし食べるしか無いのかぁ…」
グゥと鳴き続ける腹の虫をなだめる様にお腹をさする
「火があれば焼いて食べるんだけどなぁ」
川魚の刺身ってあまり聞いたことないから怖いんだけど、ましてやバスとナマズだし
「魔法で火を起こせないかな」
女神様が魔法のある世界だと言っていたのを思い出す、どうやって使うかはわからないけど試して見る価値はあるよな
決意をして右手を前に出す
「とりあえず、メ◯!」
しかし、なにもおこらない
「メ◯ミ!メ◯ゾーマ!メ◯ガイアー!ファ◯ア!ファ◯ラ!ファ◯ガ!炎よ!インセンデ◯オ!ファイ◯ー!ボルガ◯ン!ライナロ◯ク!着火!」
しかし、なにもおこらない
「駄目だーー」
地面に大の字で倒れながら叫ぶ
「諦めて生で食べるしかないのかぁ…」
魚が捌けそうな平たい岩を探す、運良く近くに平たい岩があり魚を並べる
並べた魚に手を合わせいただきますと唱え、腰のナイフを抜き構える
「よし!始めますか」
石打漁は法律で禁止されていることがほとんどですので、良い子も悪い子も真似しないでください。