第三話
「腹が減った」
考えたら目を覚ましてから何も食べていない、そこに水を飲んだことで腹が刺激されて、腹が空いてきた
「何か食べ物はあるか?」
キョロキョロと周りを見渡す
「木の実は…」
周りの木の枝を見るが枝には葉っぱばかりで、食べられそうな実は一つもない、落ちているものが無いか目線を落とす
その時木の影に茶色い物が見えた
「アレはキノコか?」
近寄って手に取ると傘の部分は椎茸のような見た目で軸の部分が鮮やかな緑色だった
「食えるかこんなもん!」
ベシッと勢いよく地面に投げつける、
めっちゃスライムみたいな色だった、ベトベトしているし気持ち悪い
「はあっ…」
肩を落として息を吐く、手を見るとキノコの緑色の粘液がベットリとついていた
「手、洗うか」
キノコの粘液を落とすために川へ手を突っ込みジャブジャブと洗う
ふと、水面に写る自分の顔が目に入る、短めの黒髪、細めの目と眉そして特徴のない鼻と口、前世の俺とほとんど変わらない様だ、
しかし、寝不足でこびりついた隈や、おでこのニキビが綺麗になっている、どうやら女神様は悪いところは造らなかったのだろう
「あ、気がついたら綺麗になってる」
考え事をしながら洗っていたが粘液は水で落ちるものだったようだ、手から落ちた粘液は川の流れに乗って流れていく、その緑色を目で追っていると、泳ぐ魚の影が目に入った
「そうだ!魚だ!」
何で思いつかなかったんだろう、川があるなら魚を獲ればいいじゃん
勢い良く立ち上がって行動しようとしたが動きが止まる
「で、どうやって?」
ブツブツと呟きながら思考を回す
竿は無い、作ろうにも針も糸も無い、罠は作り方を知らないしおそらく時間がかかる
「どうすれば良い?」
考えろ、テレビや小説になんか載ってなかったか?思い出せ
考える勇悟の頭に一つアイデアが閃いた
「そうだ石打漁だ!」
日本国内でも川の水には寄生虫がいる場合や細菌などが含まれていることがあります、真似しないでください。
もし飲む場合は一度沸騰させてから飲むと食中毒のリスクが下がります。