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第二八話 再確認

「――は!! うぅううっ……!!」


 俺は胸元抑える、必死に悲鳴をかみ殺して。

 刺された、刺された、刺された。悪友に、ノブに、殺された。

 なんで、なんでだ? なんでなんだ。

 ノブが俺を刺すなんて、一体、なんで。


「お、おい。大丈夫か? タカ」

「……の、ぶ?」


 目の前には隣で焼きそば弁当を口にしていた彼がいる。

 さっきのは夢? いいや、ループ、したんだ俺は。

 今回はなんでノブを見つけた時に戻っているんだ?

 そもそも、なんで刃物女のような赤い瞳に、ノブはなったんだ?


「わ、悪い」

「いいって、お前、なんか病気持ちなのか?」


 俺は目に入った自分のペットボトルを手に取って中の水を全力で飲む。


「……喉、つまっただけだわあほ」

「あほって、心配してやった悪友に失礼じゃね?」

「るっせ……」


 ……刺し殺してきたノブに言われて、ほっとするどころか不安しかない。

 だが、ノブが刃物女に刺されて目の色が赤く輝いていた。

 つまり、刺されたから病気みたいに感染する、とかなのか。

 刃物女は刃物を握った女ってわけじゃないのだろうか。

 ……そう考えれば、下手に刃物女に刺されるわけにはいかないな。


「ノブ、サンキューな」

「なんもしてねーけど、お前がいいならいいわ」

「おう」


 悪友の普段通りで逆に安心した。

 脱出方法を模索するためにも、ループして情報を集めることも悪いことではないのかもしれない。

 ……死ぬ時はかなり痛いが、そうもいっていられないことが増えるだろう。

 自決用のナイフは、今度から持つべきか。

 俺は死蘇印を確認する。一角は消えていなかった。

 ループして消えるというわけじゃない、のか? いいや、もしかしたらノブが刃物女に刺されて殺された判定になったのなら一角が増えてからノブに殺された、と仮定するならば死蘇印が消えていない理由に納得できる。

 つまり、俺の知り合いや仲間の死でループ回数が増える、ということか。

 ただ時間の指定があやふやだ。まだループで特定した日付や時間は関係なくループしている気がするが……そこの条件はまたループしたときに改めて考えればいいだろう。


「……大変だな」

「何が?」

「こっちの話だあほ」


 ノブはもうすでに焼きそば弁当は食べ終わっている。

 じゃあ、人体模型は……? ふと思って振り返れば、人体模型は前のループの時よりも少しこっちに寄ってきている……ノブが言っていたのは間違いじゃないってことだな。


「ノブ、人体模型って動いてるか?」

「ん? あ、ほんとだ! さっき見た時よりもちょっと近くなってる」


 俺はじっと人体模型を見た。

 ……どこからどう見ても普通の人体模型だ。普通のって言い方も変だが。

 とりあえず、教室内で学校机の下に隠れるのはなし、ってところだろ。

 それだけわかれば、対処法を新たに考えればいいだけのことだ。


「ノブ、一旦俺がいた教室に行こう」

「ん? 別にいいけど」


 ノブは食べ終わった容器をシンクの中に突っ込んだ。

 ……ん? ちょっと待て。


「ノブ、俺の鞄にビニール袋があるから、ゴミはそこに入れろ」

「ん? あ、ごめんごめん!」


 ……まさか、な。

 刃物女が弁当の匂いを辿ってきた、その可能性はまだ確証に至らない。

 だが、前回の時は袋に入れず、ただ食べていたのだから可能性はゼロじゃない。

 孝はゴミの回収をしてから、教室へと向かった。

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