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第二七話 刃物女の次は?

「ノブ! 無事だったか!」

「し、しー!! 静かにしろ! 物音は立てるなよ! あのもじゃもじゃが来ちまう!」


 人差し指を立てて小声で注意してくる悪友に従い、一度黙ってから小声で尋ねた。


「もじゃもじゃ……って、お前も見たのか?」

「タカも見たのか?」

「ああ、さっきまで追いかけられてたわ」

「そっかー……よかったぁ、お前が来てくれてホッとしたわ」


 ぐぅうう、と大きな腹の虫の音が聞こえてくる。

 俺の腹ではない、じっと悪友に視線を向けると、悪友は手を拝むように頼まれる。


「悪い、タカ! 何か食べるものないか? 家に帰ってないから、何も食べてなくて……」

「いいぞ、お前探しに来たから俺のとお前用の弁当は持ってきてる」

「おぉおお!! 神よ!! 助かるっ」


 悪友が弾んだ声で言うのに対し、机の下で隠れたままいるのに違和感を覚える。

 小声はまだわかるが、なんでまだ机の下に隠れているんだ?


「あ、タカ。今、一旦しゃがんどけ。あのもじゃもじゃ、机の下に隠れたら襲ってこねーから」

「そうなのか?」

「おう、じゃなきゃ俺とっくにあのもじゃもじゃに食われてたわ」

「そうか……ほい」


 俺は水の入ったペットボトルと焼きそば弁当に箸を渡す。

 ノブは嬉しそうに笑い、いただきます、と言って手を合わせてから食事を始めた。

 俺も腹が空いてきたので、俺も食事を始める。


「ちなみに俺はトイレで隠れたら来なかった」

「マジで? じゃあ俺トイレに逃げ込めばよかったわぁ……あの化け物、怪異って奴か? 初めて実物見たわ!!」

「そうだな」

「うっわ、反応うっす!! 実際の怪異とか見て興奮すんもんだろー?」

「興奮して大声出すなよ」

「わ、わかってるって」


 ノブはペットボトルの水を軽く飲みながら言う。

 あのけむくじゃらの怪異を探るためにも、今は一旦休息をとるべきだ。

 化学室が安全圏ならば、問題は何も――


「ん? お、おい! タカ! 人体模型動いてる!!」

「は? ……動いてねえじゃん」


 俺は特別、確認してなかったのもあり人体模型を見るが動いたそぶりは特別ない気がする。


「マジだってマジだって!!」

「嘘とは言ってねえ、ならノブお前人体模型を見てろ。お前食べきったんだろ」

「ん? あ、ああ……なんで?」

「人体模型が勝手に動いた、で、俺は動いたのを確認していない……つまり?」

「つ、つまり?」

「目を離したら襲ってくる、ファイナルアンサー?」

「ふぁ、ファイナルアンサー! じゃ、じゃあ俺見てるぞ」

「ん、頼むわ」


 孝はそうして食事を再開する中、悪友であるノブはじっと人体模型とにらめっこをするのだった。

 ……っていうか、人体模型が襲ってくるのはホラーでもあり得ない話じゃない。

 悪友が睨んでくれている間は少なくとも、人体模型は襲ってこないのならそうしておけばいい。

 食事中と睡眠中の人間は無防備だからな。


「た、タカ!! やべぇ!!」

「ん? 何――」


 焼きそば弁当を食べている中、信光が声を荒げる。


「……た、か……にげ、」

『……隕九▽縺代◆縲∬ヲ九▽縺代◆』

「刃物女!?」


 孝は振り返れば腹を抑えながら、刃物の女と相対する悪友が立っている。

 なぜ!? あの一瞬で、入ってきたのか!?

 彼の眼光が赤く輝くと、彼の手には包丁が握られている。

 

「――マトバ、タカシ」

「は? な、何――」


 信光は、孝の腹めがけて、包丁を突き立てた。


「がっ!! あぁああああああああああああ!!」

「――マトバ、タカシ。マトバ、タカシ、コロ、ス、コロス、コロスコロスコロス、コロス、コロス」


 孝は何度も何度も腹をめがけて刺殺される。

 意識が徐々に薄れて悪友の目が、まるでタコや山羊のような瞳孔だったのを目に焼き付けながら孝は死んだ。

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