第二三話 悪友の失踪
俺はいつも通り、学校にやってきた。
今日はさくらも教室にいる。つまり、さくらは死ぬことは無いと言うことだ。
少し、さくらの人間関係を悪くさせたか、と言われたら俺が勝手に色々やって大変だったねと、友人同士で話し合うだけだろうから、何一つ問題はない。
後、気になる点はノブがまだ学校に来ていない点か。
「おー、お前ら。席に着けよー」
担任である田辺先生こt、タベコーが教室にやってくる。
科学担当で冴えない白衣を着ながらいつもの無精ひげを生やしたまま、頭の後ろをぼりぼりと掻く。
俺以外の生徒たちは自分たちの席に戻る。
「ホームルーム始めるぞー」
「きりーつ、礼!」
席から立って、頭を下げてからもう一度席に着く。
すると、教壇に手を置きながら、田辺センコーは周囲を見渡すように言った。
「みんなー、日高のことで何か知らないかー?」
「ノブっちがどうかしたのー? タベコー」
俺たちのクラスで、五味、葛、加須と評されているゴミ箱トリオ三人衆の一角、五味が手を挙げた。
アイツ、ああみえて友達想いなんだよな。
「なんでも、昨日の夕方から家に帰ってないみたいでなー、親御さんも探したり携帯電話で連絡をしても音信不通らしいー、どうだー? みんなー」
「家出とかじゃないのー? 若気の至り的なさー」
「置手紙もなかったらしいー……的場ー知らないかー?」
「……俺は、昨日唯之宮と帰ったので、知らないです」
「そうかー……もし見つけたらすぐに先生に連絡してほしい。先生の話は以上だー」
……なんでだ? さくらを助けたら、なんでノブが失踪する?
何か、関連でもあるのだろうか。
だるそうにしながら言う田辺センコーは首にポケットファイルをポンポンと首に軽く叩く。
朝の会は進行していき、朝の会は気が付けば終了した。
……ノブが行方不明? なんでだ。
アイツ、悩みなんて柄じゃない男だろうに。
孝はホームルームが終わってからも考え込む。
もしかして、さくらを死なせなかったから、ノブがあの学校で死んでいる、なんてことないよな。
……確認で行きたい気にもならないが、後で腹に一発正拳突きをかましてやらねえとな。
「……」
「どったの? ウサチー」
「なんでもないっ」
……語り部屋部のみんなにも、聞いてみるか。
茜ちゃんなら、人情深いからすぐ話に乗ってくれるだろう。
蔦屋なら、後で怪異の類の話もできるだろうし……忍に関しては、わからないが。
まぁ、とにかく久しぶりに部室に行くか。
宇佐美が不満そうにこちらに向ける視線なんぞ見抜きもせずに、孝は今日のするべきことが決定した。




