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もしもあの日に...  作者: 上川 那代
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君のキモチ

私は『ヨミ』。

人間でいうともうすぐ100歳になる。

なんといっても私の自慢はこのお尻だ。


私と同じ物体を何度か見たことがあるが、

そいつらには

尻尾なるものが生えているらしい。

なんて気味の悪いものなんだと思っている。


そんなものがなくたって

私は充分に可愛がってもらえている。


特にこの男。

名を『健馬』と呼ばれている。


私がこの家に来てから彼の寝床が私の寝床でもある。

それにしても人間というものは

実に邪魔くさい生き物だと思う。


ただでさえ私の寝床に大きな身体で居座り、

動き回るではないか。

私の寝床を侵食するとは

なんたる迷惑な存在なんだと私は思っている。


またこの人間とはなんたる

騒々しいのだとも思っている。


私が寝ていれば

大きな声で笑ったり、目を見開いて叫んだり

そう思ったら目から水滴を垂らしたり。

私には理解できないことだらけな生き物だ。


だが私は人間は嫌いではない。

私の手の届かないところを撫ででくれて

心地が良いものだ。

その他にも食べものも出してくれたり

トイレも片付けてくれる。

私と同じ姿をした色違いの物体よりかは

幾分一緒にいて楽だと思っている。


健馬は最近いつも側にいる。

前までは2回目のご飯の時に帰ってきてたのに

最近はずっと近くにいる。

寂しくはない半面、やはり邪魔だ。

だけど彼はなんだか元気がない気がする。

近付くと彼は目を見開いて叫ぶことも多くなった。

私でいうとフゥーと唸る感覚に似ている。

あれは怒るという感情なのだろう。


でも私はこれが初めての経験ではない。

2回目だ。

人間には何があるか分からないが、

こうやってずっと私の寝床近くにいる日が

ずっと続くのはこれが2回目だ。

その時もきっとこんな感じだったのだろう、

微かに記憶にある。


君はどうしたんだい?

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