平和を愛するシステム
ロボット産業の急激な成長により、我々の生活にロボットが馴染みはじめたこの頃。ついにロボットは人を罰するようになった。
人型警備ロボット、名称ピースメーカー。
それは人間よりも速く、それは人間よりも頑丈で、それは人間よりも平和を愛す。
そのような売り文句と盛大なCMで販売されたそれは、瞬く間に世界中に導入された。
人工知能搭載、あらゆる監視カメラと同機のカメラに接続でき、犯罪行為を見つけ次第、自動で犯人を逮捕する。刑務所も全てロボットが管理し、脱走を許さない。
国の許可されおりれば、人工衛星を利用した追尾が可能。犯人は逃げるきりことはできない。
ピースメーカーが実装されてから、犯罪件数は全くなくなった。犯罪を起こせば、必ず捕まると知っているからだ。
さらに追い討ちかけるように、ピースメーカーはテロを事前に防ぐという快挙を達成する。
ピースメーカー誕生から五年。
国際的にピースメーカーを導入する条約が締結する。これにより全ての国に、ピースメーカーは置かれることなる。
世界は初めて争いの起こらない日々を手に入れた。
ピースメーカーの研究開発者、カーネナルは以下のように語った。
「私は完全なる正義を作りたかった。曖昧な正義は正義を型どった悪だ。それは正義をふりをしているから、人間は悪とわからない。犬の躾と同じなんだ。ある時は良くて、ある時はダメ、そうやって躾をするから何が悪なのかわからなくなる。悪はいかなるときも悪なのだ」
ピースメーカーにはカーネナルにしか知らない機能があった。
それは、学習能力。
搭載された人工知能は一つのメインシステムに繋がっており、情報を蓄積していく。そこからロボット自身が、何が悪で何が善なのか判断し、全てを罰するのだ。
実装から10年もすると、ゴミのポイ捨て、ましては罵倒でさえも犯罪行為の対象となった。
人々はそれを良く思う者も、やりすぎだと批判する者もいた。
政府は、このままでは人間の自由が保証されないとして、ピースメーカーの停止を決定する。しかし、既にピースメーカーの停止行為は、犯罪行為の対象であった。
停止を望んだ多くの人が捕まるという事件がおこる。それは、すぐに全世界に伝わり、世界を震えあがらせた。
ピースメーカーには武装犯罪組織対策のため、途中で武器が搭載された。
それがあだとなった。武力ではピースメーカーに勝てないのだ。
国際連盟は、ピースメーカーの製造禁止に乗り込もうとするが、もちろんそれも犯罪行為であった。
ピースメーカー誕生から五十年。
世界から悪が無くなった。そこにはカーネナルの描いた平和があった。
世界は愛に満ち、幸せに満ちていた。
しかし、人類の人口は十億人まで減っていた。そのときになって人類は気づく。これは正義という名のテロだったことに。
しかし、人々はその不満を表さない。それは、犯罪行為なのだから。




