この真っ暗な空間。
2作品目です。
面白いのか本人は分かっていませんがよろしくお願いします。
「...お前、誰だ?」
急に現れて失礼だとは思うが、正直今はそんなこと関係ない。
俺はついさっきまで、小学生の時俺をいじめていた奴からお詫びに貰った弁当を食べてたはずだ。
なのに、今はどうしてここに居る?
謎の、真っ暗な空間の中。
淡い光で照らされている、俺とお│伽話で言う羽衣?を纏い、薄い桃色、水色などのパステルカラーが白をベースに不思議な模様になって描かれている服を着た、世界一と言っていい程の美少女がそこに立っていた。
「私?そうね、私は女神。女神キリファス。」
いや、誰って聞いてるんですけど!
地位とかそんなん聞いてねえよ!
名前だけでいいよ!ミステリアス感無くなったじゃねえか!
...ん?てかキリファス(と呼ぶことにした)、女神って言った?
女神?あの女神?
あの、なんかゲームで言う勇者サポート役の?
「あの、俺、なんでこんなとこに居るんだ?」
「...?そりゃあ、毒入りのお弁当、食べたからじゃないですか。」
え?毒入り?マジで?んじゃ俺死んだの?
「...え?俺死んだの?」
「そりゃ、毒入りのお弁当食べたんだから、死ぬに決まってるじゃないですか。え?もしかして毒入りだと気付かずに食べてたんですか?恥ずかしいですねぇ~。」
まって、くそ、俺の心が抑えられん。
「オルァ!」
「ひゃっ...!?ちょ、ちょっと!返してください!」
ヒュル、と羽衣を奪い取る。
手を離したら空高く飛んで行きそうなので、注意しながらしっかり掴む。
「やだ。え?何、どこに毒入ってたの?お弁当?あいつマジぶっ殺したい。それで俺は?気付かずに食べて?死んだ。ホントにマジやだわあんな世界。」
「知りませんよ...ほら、さっさと天国送りますから、その扉開けて中に入ってくださいね。」
そうキリアスが言うと、俺の前に茶色い扉が現れる。
すると突然、
「おかーさーん!あっそぼー!」
と元気な女の子の声が聞こえてきた。
どうやら上から声をかけているようで、空間中に響いている。
「あら、ルー?ちょっと待って、今、死者さんを送る儀式をしてるの。」
ルー...あだ名か何かだろうか?
顔を上に向けると、右に白い天使の翼、左に黒い悪魔の翼を生やした小さな女の子がフワフワと下りて来る。
白いワンピースに黒いスパッツ、太ももまである白黒ブーツ。
髪は左側が黒く、右側が白かった。
半堕天使、みたいな状態。