第三話 商店街でお買い物
「寝れねぇーっ!!!」
カルマに会った日の夜。
作戦会議をしていたという陣の中で寝ようとしていたのだが……。
寝れねぇ。
緊張するというかなんというか。
寝てる間に界魔が攻めてきたりしたらどうしよう的なそんな感じでゆっくり寝てらんない。
隣のベッドを見ると。
お気楽 輝がぐっすりと眠っている。
お気楽過ぎだろ。
いや、俺が心配性過ぎるだけか?
とにかく、一度外に出て落ち着く事にした。
「ふぅ……」
陣の外に出て、地面に座り込み息を吐く。
「寝れねぇか?」
いきなり声をかけられ、ビビる。
「はは、私だよ、私」
「なんだよ、カルマかよ……ビビらせんなよ……」
悪態をつく。
「はは。で、やっぱり、あいつらが気になるか?」
「まぁな。どう戦えば良いのかもわかんねぇし……」
「じゃ、それに関しては先輩の私が耳寄り情報を教えてやろう!」
大声出すな。
今は夜だぞ。
「耳寄り情報?」
俺が小声で尋ねると、カルマも気づいたかのように小声で返す。
「あいつら、体の構造は私ら精霊や、あんたら人間とほぼ同じなんだ」
「は?」
「違うところはある。撃破すると消える。言葉が話せない。だけど基本的な作りは同じだ」
これは結構でかい情報じゃないか?
「サンキュー、カルマ」
「いや、味方だし」
「確かに」
次の日の昼。
界魔の根城がわかんないため、あいつらが攻めてくるのを待つしかないとカルマが言っていたから、この世界に来た時にいた商店街に買い物に来ていた。
装備を揃える為だ。
「木刀……これいいな」
「杖無いかな〜」
精霊界だしありそうな気もするが。
「あ、これこれ!」
輝が手にしたのは、見るからに「魔法使いの杖でーす」というような杖だ。
「これ買ってくる!」
「俺もこの木刀買ってくる」
「小遣い吹き飛んだぁ……」
「アホだろお前。んな高いの買ったら吹き飛ぶに決まってんだろ」
輝は6000円ちょいの杖を購入。
かたや俺は2000円くらいの木刀を購入。
差が結構ある。
「木刀ってこんな軽かったっけ?」
「いやこれだいぶ重いよ」
木刀の軽さに違和感を感じ、輝に持たせて見ると、そんな感想が返ってきた。
「重いか?これ」
「お兄ちゃんステータスアップしてるからじゃない?」
「筋力も上がるもんなのか」
初めて知りました。