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黒き門・白き門  作者: 灰色人生
第一章 ミディア王国編
2/24

二話

 



 2・キャラクタークリエイト




 ▼○


 黒き門を潜ると、禍々しい装飾が施された王座が鎮座していた。



 背後を振り返ると通って来た、門はいつの間にか無くなっており、この黒い空間には王座以外特に目立った物は何も無い。



 スタスタ。と王座まで歩み寄り座る。


 座り心地はとても良く、自分専用に作られたのではないか、と思わせる様に体にフィットする。


 手触りも見た目の禍々しさからは、想像出来ないぐらいに良く。病みつきになりそうなほど滑らかで肌に吸い付く様な錯覚を覚える程だ。



 充分に王座を堪能した後、視線を正面に向けると、いつの間にか目の前には透明なガラス板に似た物が浮かんでおり、そこにはキャラクタークリエイト画面と表示されていた。


 画面を触るとキャラクターを作成しますか?


 YES/NO と表示された。



 そう言えば門を潜った辺りから、何故か自分の元の姿形を思い出せない。



 このガラス板の様な物は透明で自身の姿を映し出さない。


 手を見ると黒い靄に覆われて直視が出来なくなっており、顔を触ろうとするが何か壁の様な物に阻まれて触れない。



 それに昔の事も一切思い出せない。


 辛うじて自分が男だと言う事だけはわかる。がそれ以外は何1つ思い出せない。



 考えても仕方がないと、思考を切り替え画面に触れてYESを選択する。



 一瞬NOを押せば前の姿形になるのか?と思ったがそこまで未練は感じず、逆に強烈にYESを押さなければ後悔すると、自分の中の何かが訴えてくる。




 YESを選択してタッチすると画面が切り替わる。



 名前を選択して下さい。【 】


 職業を選択して下さい。【 】


 種族を選択して下さい。【 】


 性別を選択して下さい。【 】


 所属を選択して下さい。【 】



 と5つの項目が表示された。



 名前は……すぐには思いつかないな。


 取り敢えず後回しにして先に一番簡単な性別にするか。


 ───か。どうせ男か女しか無いだろう。と思ってタッチすると──何と5つの項目が表示された。



 2つは予想通り。男性・女性だったが、後の3つは完全に予想外だった。


 両性・無性・不明ーと表示されていた。



 まだ両性と無性はわかるが不明って何だ!?と憤ったが、こんな事で熱くなるのも馬鹿らしいと、気持ちを瞬時に切り替える。


 此処は無難に男性を選択した。


 これで5つの項目の内1つが埋まった。


 後は4つだ。次にどれを選択するかな?



 まあ、考えてもタッチして見ない事には選択肢も出ない。


 職業を選択しタッチした。



 そこには膨大な数の職業が表示されていた。


 これは……吟味しなくては行けないな。


 幸い時間制限は無い事だし、じっくりと選ぶとするかな。




 吟味する事、数十時間(作成画面の右上の隅に時計がある。


 特に残り時間や経過時間と書かれている訳では無く。只単に今現在の時間を報せているだけだ。


 まあ、この時間が何に起因しているかは定かでは無いが、僅かに残る記憶の残滓と照らし合わせると、前の世界と同じ時間の単位である事だけは辛うじてわかる。


 まあ、それだけだか。



 吟味した結果選択する職業を以下の5つに絞った。



 〈魔王〉〈剣豪〉〈賢者〉〈ダンジョンマスター〉〈魔法剣士〉



 これ以外にも膨大な職業があった。


 例えば〈平兵士〉〈騎士〉〈商人〉〈農民〉〈貴族〉〈平民〉〈戦士〉〈僧侶〉〈村長〉etc……など普通の職業から。


 〈山賊〉〈海賊〉〈盗賊〉〈詐欺師〉

 〈暗殺者〉〈殺人鬼〉etc……など犯罪関係の職業から。


 〈奴隷〉〈浮浪者〉〈難民〉〈暴徒〉等の碌でもない物まで、ありとあらゆる職業が表示されていた。


 中にはこれは職業か?と思われる物まで存在した。


 職業というより地位では?と思ったがその職業に就く事により、補正がかかったりするらしい。


 さらに転生先で転職(ジョブチェンジ)も出来るらしい。




 それを精査して先程の5つの候補に絞り込んだ。



 表示された、職業をタッチすると詳細が表示される。



 それと選ぶ職業により、選べる種族が変化する事がわかった。


 逆も然りだ。



 例えば職業を神官等の聖職者を選択すると、悪魔や魔物等、負に偏る種族は選べない。



 逆もまた、然りだ。



 それにしても。どれにしようか、迷うな。


 魔王は確かに強い職業だが、問題点もある。


 まずは敵対勢力が多過ぎる事が挙げられる。


 同じ魔王同士でも、敵対しており。更には、人間種や亜人種、妖精種等は軒並み敵対している。



 それに魔王の配下の魔族達は我が強い者や、一癖も二癖もある者が多く、纏めるのは大変だ。


 その代わり強いが、脳筋が多く内政が苦手だったりする。



 剣豪も確かに強い職業だが、やはり個の力では、限界もあるだろうし、強くなる資質は多いにあるが、そこまで到達するのに時間がかかる。


 賢者も同じ様な理由だ。



 魔法剣士は万能型だが、万能故に特化した職業の者には負ける。


 ダンジョンマスターは最初は弱いらしく、ダンジョンの出現場所により、討伐される危険性が跳ね上がる。


 仮に討伐されない危険地帯に出現したら、したらで今度は、ダンジョンポイントと言う物を集めるのに、魔物や人などを倒さなければいけないが、その対象が強過ぎて得られない事になる。



 どの職業も良し悪しがあると言うことか……



 迷った末にダンジョンマスターを選択した。


 デメリットもあるがメリットが良いと思ったからだ。


 まずダンジョンマスターは選べる種族は減らず、全ての種族から選択出来る。


 更にはダンジョンポイントを使い召喚、作成した、存在はダンジョンマスターに絶対の忠誠を誓う。



 更にダンジョンが強く成長すれば、するほど召喚や作成出来る存在が強力になる。


 更にダンジョンコアなるクリスタルがあり、これを破壊されるとダンジョンマスター及び、召喚、作成した者は消滅するが、ダンジョンコアが健在な限り蘇らす事が可能だ。


 更にはダンジョンマスターは不老不死の存在になる。


 まあ、コアを破壊されたらダンジョンマスターも消滅はするが、それ以外では不滅の存在である。



 その為様々な、メリット、デメリットを鑑みてダンジョンマスターを選択した。



 次に決めるのは種族か所属の何方にするか。


 名前は最後に決める事にした。



 所属は種族や職業により変化すると書かれていた。



 例えば職業が魔王軍兵士で、種族は悪魔を選択した場合。


 所属は魔王軍の中からしか選べない。


 まあ、無所属もあるが、これはデメリットの方が大きい。



 スクロールして行くと下の方に隠しアイコンがあった。


 どうやら決められた順番に種族をタッチして見て行くと選択肢として出てくる様だ。


 その中から種族は死祖を選択した。


 死祖は死神の上位種族である。


 見た目は死神と変わらず、骸骨であり目には血の様に赤い灯火が宿っている。



 だがスペックは圧倒的な差があり、例え死神が10体いたところで勝てはしない。



 まあ、強い種族にもデメリットがある。


 それは、成長ーつまりレベルアップーするのにとても時間がかかる。と言うことだ。



 成長するのに必要な経験値ー他者を倒した時に得られる存在力ーが膨大に必要と言うことだ。



 その為に種族に胡座をかいてLevelを上げることを怠った場合。自身よりも元来の能力が圧倒的に劣っている者に敗れる事がある。



 それだけLevelはこの世界では重要となる。





 次に決めるのは、所属だ。



 選べるのは魔王のどれかの勢力に後はダンジョン同盟や連盟等似たり寄ったりな勢力が大小無数に存在する。



 だがここで1つの可能性に思い当たる。


 仮に何処かの所属に入ったと仮定して、自身のダンジョンが何処に出現するかは、まだ、わからない状態だ。


 そして出現した場所が敵勢力の真っ只中だとその時点で詰みだ。



 なので所属は未設定のままにして、名前を決める事にした。



 考えた末に以下の名前に決めた。


 イニティウム・ビオス・タナトス・フィーニス


 これは終わりと始まりそして生と死を意味した言葉だ。



 これで設定を完了とすると今度は以下の事が表示された。



 出現地点を設定して下さい。【 】


 所属を設定して下さい。 【 】




 


 

 やはり、所属は決めていなくて良かった。



 表示された地図を見る。







  To be continued……






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