一話
1・プロローグ
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ウッ!?ここは……何処だ?
目を覚ますと白い空間に居た。
周りを見渡して見ると
目を覚ます自分以外にも、複数の人がこの空間に居た。
隣の男性に声を掛けてみようとするが、声が何故か出ない。
諦めて暫く腕を組んで佇んでいると、突如空間が歪み。その中から2つの門が姿を現した。
1つは神々しい光を放つ白き門。
1つは禍々しい闇を放つ黒き門。
この2つの門が現れた。
何故か惹かれるように黒い門の方へと歩いて行く。
チラリと視線を周囲に向ければ、他の者は困惑した表情を浮かべながら、周りの様子を伺って居た。
中には勇気を出して自分と同じ様に門へと進む姿が見える。
チラリと周囲を一瞥した後、黒き門に触れ扉を開く。
すると中から負の気配と空気が溢れ出す。
それに何人かは苦しそうにしたり、顔を険しくさせたり、嫌悪する様な視線を向けたりとするが、幾人かは比較的平気そうだ。
気配を感じて隣を見ると、高校生ぐらいの青年が隣の白き門に触れて扉を開く。
中から今度は光が溢れ出し爽やかな風が流れてくる。
何故かそれに男は不快感を抱き、苛々としたがそれを無視して黒き門の中へと足を踏み入れる。
この空間には合計100人居たがその内25名が黒き門へ、75名が白き門へと足を運んだ。
◆◆◆
その様子を眺めている存在が2人(?)居たが気付く者は居なかった。
白き衣を纏った女は『今回もやはり私の方が多かったわね?』と何処か蠱惑的な声色で、黒き衣を纏った存在に問いかける。
『ふん、此方は量よりも質を重視した結果だ。雑魚など直ぐにでも淘汰される世界ゆえな』と黒き衣を纏った男は、威厳に満ちた声で答える。
そこに新たな存在が現れる。
『さて、どちらの陣営が強化される事やら。楽しみじゃわい』
現れたのは灰色の衣を纏った存在だ。
その存在に対して白き衣と黒き衣を纏った2人は恭しく一礼をする。
それを灰色の衣を纏った老人姿の者は片手を上げて制する。
『良い良い。今回儂は只の審判であり、傍観者でもあるからのぅ。滅多な事では口は出さんわい。2人の好きな様にするが良い』
『わかりましたわ。私を勝利を御覧下さいませ』と華麗にお辞儀をする。
『ふん、何を言うか?現在我の方が優勢ではないか。数はそちらが多いとは言え、すぐに覆せるものではないぞ?』と自信たっぷりと告げる。
『あら、そうかしら?確かに今は劣勢だけど、侮らない事ね。数の力も馬鹿にしたものでは無いわよ?それに今回は粒揃いだったしね』と妙齢の女性の姿をした白き衣を纏った者は、その豊満な胸を誇示するかの様に腕を組みしたから支え上げて見せつける。
それを黒き衣を纏った偉丈夫の姿をした者はふん、と鼻を鳴らし『くだらん。圧倒的な個の前にそんな塵屑共は鎧袖一触よ。それにそちらにも今回粒揃いが居たように、此方にも有望株が居たわ』と睨みつける。
そんな2人を見て『ほっほっほ。元気がある様でいい事よ。まあ、焦らずとも自ずと答えは出るわい』と灰色の衣を纏った存在は、今にも一触触発気味は2人を諭す。
2人は睨み合った後視線を同時に逸らし、声を揃えて『『わかりました』』と答えて口を
噤み。黙って空間に映し出された映像を見る。
映像は100個の画面に別れており、それぞれの画面に1人の人物が映し出されて居た。
To be continued……