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御多分に洩れず

 僕の部活が決まった。正確には「決まってしまった」あるいは「決められた」だが。

 簿記部がたんなる広報部になってから久しいらしいが、いよいよ広報部から文化部(意味的にはどちらも同じであると言えるが)に転身するときがやってきたようだ。

 しかし、現状人数としては、3人である。残り2人いないと簿記部としては認められず、広報部のままである。

 では、簿記部に入るであろう人財がいるかという問題である。

 商業高校あるあるとして、「高校野球が強い」というあるあるがある。今でこそ、甲子園は私立高校の独壇場であるが、公立高校で出場してくる高校では工業高校や商業高校が多い。昔は、たくさん出場していたようだ。この話でも、御多分に洩れず我が南商業も高校野球が強い。今でこそ、古豪と言われるが、昔は甲子園常連校であった。しかし、20年前から私立校の台頭により出場が難しくなってしまってしまった。一応今でも県内では強豪に数えられているため、男子生徒の大半が野球部になっているのだ。

 そう、クラスの男子生徒が10人いるとしたら、6人くらいは野球部員である。そして、2人くらいはサッカー部である。残り、2人が僕らのような一般ピープルとなる。また、商業高校の特徴として女子生徒が多いことがあげられる。就職率が良いため、就職を希望する女の子が多く志願してくるのである。

 この現状をさすがの先生は把握してるらしく、「あと二人」とため息を吐くがごとく、僕らの前で言うと颯爽と立ち去っていった。言葉の力とは裏腹に、その動きにはどこか軽やかさが見られた。やはり、部員が入ってくれたのが顧問としては嬉しかったのだろうか。


 放課後になると、早速僕らは部室予定地を訪れた。

「うわ……」

 部室は、入り組んだ場所にあった。家庭科室の横を通ったかと思ったら、なぜかトレーニングルームが現れて、なぜか茶道室が現れ、そんなこんなでたどり着く場所だった、図面的に見ると、図書室の横の横の教室なのだが。そこは、とても埃かぶっていた。とてもだ。

「ここは、まずは掃除だね」

「うん」

 幸いにして、その教室には掃除ロッカーが置いてあった。ホウキとバケツしかなかったため、個人の雑巾を教室に取りに帰って、床掃除をすることにした。

 橋本さんは、スカートの下は、ジャージに着替えていた。悲しい限りである。

 掃除が終わる頃には、日が暮れてかけていた。綺麗な夕焼けで、マジックアワーだった。

「よし、こんくらいでいっか」

 橋本さんは、額の汗をブラウスの袖で拭った。僕らも汗を拭った。

 すると、扉がガラガラと開く音がした。

「簿記部ってここですが」

 扉の先には、メガネをかけた小柄な男の子と、小柄な女の子が居た。そして、その後ろから肩で息をする先生が、なぜか現れたのだった。

「部員見つけたぞ。5人だ」

 部員をどこから見つけてきたのだろうか。まさか、高校から見える山の上の公園ではあるまい。きっと、放課後間際に声をかけまくって見つけた、ということにしておこう。

 こうして、簿記部が始動することになった。はたして、この新入部員とは・・・

 

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