1日目終了
頭がパンパンになって1日目は終了した。先生は、「商業簿記は3級の延長だ」と繰り替えし言っていたが、そんな気は全くしなかった。やはり、2級の簿記はそれなりに難しい。
工業簿記の方は、材料費、労務費、経費。そういう分類の仕方をして原価を計算していくのだと思った。よくよく考えてみればそうだが、一つあたりの原価はいろんな種類のものがかかっているが、集約してみるとこの3つに落ち着くということだ。まだまだ工業簿記の方は新しく学ぶ知識が多く楽しいのであった。
僕らは、一斉に背伸びをして、物置部屋から出て行った。
「終わった終わった」
進は、ようやく終わったかと退屈そうな表情を浮かべていた。
「進は、どうだった。いけそうかい」
僕は聞いてみた。
「まぁ、行けるかな。2級まではスルッといける気がするね」
なんとも頼もしいやつである。簿記部には部長というものが今の所存在しないが、なるとしたらこいつしかいないなと思った。
「それよりさ、このあとってやっぱり仕事なのかな」
と橋本はそわそわしながら言った。僕らは内心そんなことを考えつつ、廊下を歩いていると、女将さんが現れた。
「あら、暇でしょ。暇なんでしょう」
そういって、人攫いのごとく僕らは連れて行かれてしまった。連れて行かれた箇所は食堂であった。実は、食堂は想定した範囲内であった。きっと、食堂になる。そんな気はしていたのだった。
食器に料理を盛り付けしてくれる人、盛り付けしたものを運ぶ人、そして、案内する人の役回りを与えらえた。盛り付けを僕と鮎川、運ぶ人が進む。案内は、橋本と桜がやることとなった。
「ご夕食会場はこちらになっております。みなさまの部屋番号のカードが置いてあるお席にすわって、ごゆっくりお召しあがりください」
女将さんから教わった通りに、彼女たちは可愛らしい声でご案内をし始めた。一回言われたことを一回でマスターできるあたりが彼女たちのすごいところである。
その頃の僕はといえば、サラダの盛り付けに苦戦していたのだった。




