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夏休み3

 終業式で、1学期最後の登校日だった。クラスのみんなに会えるのはまた、夏休み明けである。

 思えばガラッと生活が変わった高校生活だった。まさか、ここまで電卓を叩き続ける日々が続くとは思わなかった。電卓を恋人とまではいかないが、親友かと思えるくらいまでになり、電卓は僕の通学鞄の中で生活をしていた。


 放課後、先生が話があるといって、部室に集合させられた。

 本当は、終業式の日は部活の予定はなかったのだが、急遽呼び出されたのだった。

「集まってもらったのは他でもない」

 先生は、部室に来てから真剣な表情で話し始めた。

「合宿を行う」

 一同、騒然となる。

「場所は」

 進は問う。

「鎌倉にしようと思う」

 他の一同は、近いなーと残念そうにしていた。橋本と桜は、海があると張り切っていた。

「鎌倉にある高校に俺の知り合いがいて、そいつの実家が旅館でね。安く泊めてくれる代わりに君たちを労働力として使いたいそうだ。どうだろう、割といい話なんじゃないかな」

 先生は、自信満々に答えた。

「確かに、いい話かもしれないけど具体的に合宿は何をするんですか。簿記部なんて合宿に不向きだと思うんですが」

 鮎川は、もっともな発言をした。

「一週間で、簿記2級をマスターしてもらう。そして、次の週に、ここで部活内での簿記大会を実施する」

「ビリになったやつは…」

 部活内に緊張が走った。

「文化祭で、着ぐるみを着て構内を全力疾走というのはどうだろう」

 あんまりにもシュールな話で、しかも大して面白くもないアイデアだった。生徒たち全員、首をかしげた。

「その簿記大会は多分本番を想定してやるやつだと思うのですが、点数が70点をみんな超えたら順位関係なく先生が俺らに焼肉をおごるというのはどうですかね」

 進は、先生に大して挑戦的な発言をした。先生はしばらく考えて「いいだろう」と言った。結局、着ぐるみ全力疾走の罰ゲームも採用された。全員70点超えれば焼肉。一人でも下回った場合は、そこから一番順位の低い奴が全力疾走。というルールになったのだった。

「文化祭が楽しみだ」と先生は口にした。合宿は、来週の月曜日からやることになり、集合場所は鎌倉駅前ということになった。

 僕らは、合宿に胸を膨らましつつも、夏休みに入ることを楽しみに帰宅したのだった。

「では、また来週!」

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