始まる学園生活 1日前
勢いで書き始めてしまった。
まだ、転生して犬になりましたも
軌道にのってないのに…。
山の中腹、一人の青年が当てもなく歩き続けている。
その青年の頭の上に生えた狐の耳は跡形もなく消えている。
その青年はどこを目指しているのだろうか。
こんにちは、俺の名前は虎熊優希。
唐突ですが、俺は人間ではない。いや、正確には人間なんだけど。
俺は、鬼族の中の一員で獣鬼だ。
獣鬼というのは、動物をこよなく愛した人間が、忌み嫌われ、邪魔者とされ、世間から省かれ、人間を恨んでなった鬼のことを言うらしい。
らしいと、いうのは、俺に人間だった頃の記憶が無いとか、そんなことではない。
正確には、俺は人間だった頃がない、というかずっと人間だったというか。
少し順番を間違えた。
本来の鬼は、その時代の権力者の邪魔者だったり、人に省かれた人が恨みをもち変わるものや、もともと生まれた時から力が化け物のようで、人の域を超えてしまったもの。そして、心や考えることが、常人のそれではなく残虐な思想の持ち主が人を抜け出し鬼になっていたそうだ。
しかし、俺は、俺たち鬼族は違う。
皆も知っているだろう、有名な泣いた赤鬼という童話を。
その話に登場する赤鬼と青鬼。
あの話には後日話がある。
赤鬼と青鬼は、人間に戻ってしまうのだ。
彼らは鬼の心に情を宿してしまった。
本来、鬼にあるべきものではない情を。
そうして、彼らは人にもどる。
しかし、一度鬼になった身。
彼らの心は人には戻れなかった。
特に青鬼は…。
そんな、鬼が彼ら以外にも数人現れる。
そうして生まれたのが、我ら鬼族。
人ではなく、妖怪でもない。
俺の話に戻る。
生物になった我ら鬼族は、妖怪としての本質をなくし、人から鬼になるという過程がなくなった。
しかし、我らは鬼に限りなく近いものであった。
昔、鬼には吸血鬼などの種類があった。
その種類は今でも残っている。しかし、人から鬼になった原因で、種類が決まっていた昔とは違い、生まれた時から鬼である我らは種類はランダムに決まっていた。
そうして、俺が獣鬼として生まれて来たのだ。
獣鬼とは、先ほど説明した様な人間がなる鬼だが、動物の特性を持っているので、身体能力など他の鬼より頭一つ分高い。
基本性能では、吸血鬼にもひけを取らない。
普段人の世界で暮らすときには妖術で耳を隠す。
以上これが自己紹介。
俺は、昔は優秀で小さい頃か仕事をしていたから金はしばらく大丈夫だろう。
今じゃ、"オニ"を解放出来て無いのは俺だけで、落ちこぼれだったけど。
俺は、理不尽な死が誰も襲う事なく。ただただ幸せな生活がしたい。
そう言えば、昔ニホンと言う国について聞いたな。
その国は、戦争をせず、犯罪も少ない。うん、そこに決めた。絶対にいいところだ。
そうと決まったら、ニホンにいくぞ。
その少年は、自分の故郷の村がニホンにあるとは知らなかった……。
…まさか、うちがニホンにあったなんて。
俺たちの村は、国には属していなかったから、国なんて考えた事もなかった。
この平和な国ニホンに、あんな村があるなんて、みんな思いもしないだろうな。
それにしてもラッキーだった。
俺は、一応いろんな場所で仕事をするから、英語だけは覚えていた。
だから、英語を使って、日本語教室にでも入ろうと、思っていたのだが、まさか村で使われている言葉が日本語だったなんて。
嬉しい誤算である。戸籍は、じい様が用意してくれた。じい様曰く、『鬼から戦闘以外で死者を出しては、先代に見せる顔が、無いから』らしい。
名前も、その時につけてもらった。
本来は一人前になって始めてつけてもらえて、それまでは番号で呼ばれる。俺たちはただの殺人兵器だ。
そんな事はさておき、俺は憧れの学校と言うものに、入学してみる。俺の年だと、コウコウ2年と言うものらしい。
おれが入るコウコウは大江山高校と言うらしい。
今は3月30日。寮生活するものは今日かららしいので、今は寮に向かっているところである。
寮に着きました。
学校からは、10分くらい離れた位置にある。ここは、寮がうまってしまった時に、成績下位者からここに送られるのだとか。
この学校はくるもの拒まず去るもの追わず。受験で5点をとった俺でさえ受かる事が出来たんだ。本当に良かった。
おっと、話がずれてしまった。
そうして、寮についた俺は、すでに荷物が届いてると言う部屋に向かった。
俺の部屋は2階。1階に5部屋2階に5部屋あって、計10人がこの寮にいる。俺は2階の一番奥の部屋だ。
この年でここに来た生徒は俺を含み4人、バランスよく男女2人ずつだ。
これから、3年間一緒にやって行くので、先輩達と顔を合わせる前に先に自己紹介を済ませてしまおうと言う事になり今にいたる。
リビングでは、3人の男女が待っていた。まぁ、話し通りだ。
早速自己紹介をしようという事になる。
まず、茶髪の少女が立ち上がる。
目が大きくて、長い茶髪がよく似合う。
美人というよりは可愛いと言う言葉が似合いそうな少女である。
身長は160前半くらいであろうか。
高くもなく低くもなくといった感じだ。
活発そうな雰囲気で、運動もよくするのか、スタイルもよく、思春期の膨らみかけの胸も、主張しすぎずといった感じの少女。
「えっと、望月鎖那って言います。これからどうぞ、よろしくね。」
次に黒髪の少女が立つ。
大人しそうで、美人といった感じだ。
クールな感じもするのだが、ただ単に冷淡なだけなのかもしれない。
少し近寄り難い空気をかんじる。
身長は170といったところで、俺より少し低い程度。
運動というよりは学がありそうである。
眉毛が長く目は切れ長で、美しい顔をしている。
「西園寺綾乃と言う。よろしく頼む、ここではいい関係を築きたいと思ってる。」
THEスポーツ少年、
こいつはTHEスポーツ少年。それ以外に言いようがない。
坊主頭で、全身の筋肉を鍛えているのか、細マッチョといった感じだ。
袖から見える腕には、相当な筋肉がついているみたいだ。
「俺は、阿部恵太。野球を小さい頃からやってて、部活をやろうと思ってる。まぁ、よろしくな。」
次は俺の番だ。
「俺の名前は、虎熊優希です。よろしく頼むよ。」
これから、俺が普通の生活を送ってくうえで、一緒に暮らす仲間。いい奴らのようで良かった。
しばらくすると、帰省して居たのだろう先輩方がやって来た。
夕飯の時に、一斉に自己紹介するという事になった。
夕飯の時間になり、リビングのテーブルに10人の生徒が集まった。
そこで、テーブルの端にいた一人の女の子が立ち上がり声をあげた。
「よぉし、みんな集まったな。これから一年生と、それ以外の自己紹介を始めます。とりあえず私から。3年で、ここの寮長をやってる秋山紅葉だ。よろしくな新入生。」
いま、自らを3年生となのった女の子は、場所を間違えて居るのだろうか。
ここの近くに、チュウガクというものがあったはずである。
そこにも寮があるのでは無いだろうか?いや、チュウガクの3年生だったら、一つしか変わらない事になってしまう。
少なくとも4つくらいは差があると思うのだが、えっとつまり…11歳とか12歳くらい?
「ちなみに新入生。こいつは紛れもなく高校3年生だ。だから、問題ない。俺が…好きでも…問題ない。」
はっ!とした顔になる男子生徒。
大人っぽく優しそうな青年である。
最後の方は何を言って居たのかはわからない。身体能力が全体的に人間を上回って居る俺に聞こえないのだから、他の連中にも聞こえてないはずだ。
だから、そんな失言をした!みたいな顔はしなくても良いと思う。
そんな、俺たちのキョトンとした顔に安心したのか、その生徒は話を再開する。
「うぉっほん!まぁ、とりあえずそういう事だから。ちなみに俺の名前は田島慎吾で、こいつと同じ3年生だ。」
「3年生は二人しかいないんだ。あとは2年生。俺は2年の石崎拓真、よろしくな。」
3年生から話を引き継いだのは、まだ幼さが抜け切っていない黒髪短髪の青年。
活発な印象を受ける。
「同じく2年の篠岡翔子です。よろしくね。」
続いて短い茶髪の少女が自己紹介する。頼りになりそうな姉御肌な雰囲気がある。
「同じく2年です。えっと、あ、そのごめんなさい。なんて言えば良いんだっけ。え?あぁ名前だよね、うん。わかってたよ、ありがとう。私の名前は佐倉香織です。頼りにならない先輩でごめんなさい。」
一転して頼りにならなそうな印象黒髪で長い髪の先輩。守ってあげたくなる女の子とはこういう事なのだろう。
「わぁ、私が最後かぁ。おほん、とりをつとめますは〜」
「いーよまだ、後輩君が困っちゃうからそういうのは慣れてからね〜」
「あはは〜そーだねー。ごめんよ後輩くん。私は、まぁわかってるだろうけど2年生で吉野舞って言うんだ。よろしくね〜。」
おちゃらけた態度で話す先輩。話しやすそうな人だ。黒髪で頭の横?で結んでいる。こっちの髪型とかはよくわからないんだ。俺の村では女も戦闘員だったから、みんな髪は短く切っていたし。
「よっし、終わったみたいだね〜。はい、それじゃあ。みなさんご一緒にいただきまーす。」
「「「「「「「「「いただきまーす」」」」」」」」」
今日のご飯はこの上なく美味しかった。なぜだろう。とても満たされた気分になった。
心の"オニ"解放するとは?!
心にあるオニを解放すること
鬼族には一応生物としての情がある。
情を少しでも持っている鬼族は鬼より力が著しく低い。
そこで、鎖となっている情を解き放つことで、鬼に限りなく近くなり。本来の鬼の力を取り戻すのだ!
みたいな設定です。