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五百禁軍の姫  作者: 白楠 月玻
四章 探す蓮と大剣士
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四章 [8]

 

  * * *


 その少し前――。赤覇(せきは)は廣の敵兵と戦っていた。

 金属同士がぶつかる高い音が、四方八方から聞こえる。

 先陣で武器を取る赤覇の耳を矢が掠めた。


 目の前の敵兵の武器を叩き折りながら、あたりに目を走らせ、一瞬で敵と味方を見分ける。赤覇の横を飛んでいった紙切れは、味方の仙術使いが放った札だ。それが敵兵の目の前でさく裂し、飛んできた石つぶてに赤覇は目を細めた。


 はるか左の方では、大きな爆発音が響く。術師があらかじめ地面に仕込んでいた仕掛けが発動したのだろう。


 しかし、赤覇はそちらに目をくれることもなく目の前の敵に集中した。

 大剣の間合いを活かして、相手の腕を切り付け、ひるんだその肩に深々と刃をうずめる。顔に熱い液体が散ったが、それをぬぐう暇はない。


 次の敵に向き直りながら、腹の底に響く大声でいくつかの指示を出す。

 そろそろ日暮れが近い。日が暮れてから戦うのは、こちらにとってもあちらにとっても不利益が大きい。

 暗黙の了解で夜には戦わないことになっていたが、退却時を狙われる可能性も高い。今のうちに隊形を整えなおしておかなければ。


「今のうちにけが人をさがらせておけ!」


 赤覇は手傷を負って苦戦する部下と敵兵の間に割り込みながら叫ぶ。その指示に回りにいた十数人がけが人に手を貸し、退却をはじめた。

 それをかばうようにそれよりも多い味方兵が前に出てくる。術師がこちらの隊形の変化に対応しようとした敵兵に向かってけん制の攻撃を行った。

 慣れていなければ、思わず足をすくめてしまいそうな激しい光と音を伴う味方の攻撃だが、赤覇はひるまない。思わず手を止めた敵兵を重い大剣を横なぎに一閃して散らす。


「ぅらぁ!!」


 確かな、しかし不快な手ごたえに吼えると、敵兵は一層ひるんで後ずさる。


 ――少しでも有利な状況で退却しねぇとな。


 頭では冷静に考えつつ、動きは激しく荒々しく、時に雄たけびをあげながら。赤覇はさらに敵兵へと大剣を振り下ろした。

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