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五百禁軍の姫  作者: 白楠 月玻
三章 微笑む蓮と黒い槍
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三章 [11]

「なんだか、今日のみなさんは少し怖くて、歓迎されてないみたいでしたけど、泉蝶(せんちょう)さんはやさしくて、志閃(しせん)さんは程よくバカで、やっぱり禁軍(ここ)はとっても楽しいです」


「『程よくバカ』ってひどっ……。俺年上よ?」


「精神年齢は三歳児だけどね」


「三歳児って……。泉蝶ちゃん。俺、こう見えて結構先輩だからね? 先輩は敬うべきっしょ?」


 黒髪癖毛のところどころを金に染めわけ、細めの顔にややたれ目の金茶の瞳。真面目な顔をしていれば色男な彼は、二十代中ごろに見えるが、実際はもっと年上だ。

 彼に限らず、仙術を扱う者の多くは実年齢よりも若く見られることが多い。気を扱うことが、老化防止に役立っているらしい。


「志閃さんおいくつなんですか?」


 興味本位で水蓮(すいれん)が尋ねた。


「ん~? 永遠の二十歳だよ~」


「…………」


「志閃さんやっぱりバカですよね?」


 水蓮がまた笑う。


「ねぇ、泉蝶さん。志閃さんっておいくつなんですか?」


「さぁ?」


 泉蝶も首を傾げる。


「聞いてもごまかされるからわからないわ。でも、禁軍将軍で一番の古株は飛露(とびつゆ)のはずだから、飛露よりは若いと思うわよ」


「あいつも気の扱いうまいから、結構若く見えるけど、俺が禁軍にはいったときにはもうかなり偉ぁーいところにいたから、それなりにいってるはず。それでいつまでも帝様ラブなんだから、イタいよね~。親離れできないおっさんと一緒」


「あなたも似たようなもんでしょ」


 泉蝶が突っ込む。


「違うよ。俺はぁ、女の子みーんなを愛してるの」


「不潔だわ」


「泉蝶ちゃん冷たすぎ。俺だって傷つくんだよ?」


「あたしには関係ないわ」


 ふいと志閃から顔をそらす泉蝶。


「そういえばねー、王紀(おうき)は最初俺の仙術部隊にいたけど、正直仙術はダメダメだったから、騎馬部隊にやったらすごかったって感じ。家柄がいいってのもあるけど、あっという間に将軍にまでなりやがってね。昔は『志閃将軍!』って呼んでたのに今では、『志閃は本当に変態ですよね』とか言ってくる始末。俺悲しい。歳はとりたくないよね~。俺たちの中では一番あとに将軍になったくせに一番偉そうだし。あ、一番偉そうなのは飛露かな?

 しかも、王紀もてやがるし。なのに、女の子に声かけられてもつれないし。何あいつ」


「つまりあなたは、王紀があなた以上にもてるのが気に入らないのね……」


 泉蝶がため息交じりに言う。

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