表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
五百禁軍の姫  作者: 白楠 月玻
三章 微笑む蓮と黒い槍
43/143

三章 [6]

 

  * * *


 日はすでに沈んでしまったが、まだ宵だ。寝ているということはないだろう。

 昼間の熱が抜けきらず、屋内にはまだむんとした熱気が漂っている。


 五人の将軍は、病室が左右に並ぶ廊下を静かに歩いていた。

 先頭には泉蝶(せんちょう)王紀(おうき)。その後ろにいる志閃(しせん)は珍しく黙っている。隣で注意深く志閃を監視する赤覇(せきは)も、不思議そうに彼を見るだけだ。


 最後尾を歩く飛露(とびつゆ)は、先ほどから不審な気を感じていた。大きさからして人の気ではない。しかし、小動物の気とも思えなかった。

 何かが違うのだ。今まで感じてきた気とは、「何か」が違う。しかし、その何かがわからなかった。何とももどかしい。


 一つ確実にわかるのは、その気がある場所。


「志閃」


 飛露が志閃にだけ聞こえるよう小さく声をかけた。志閃なら飛露が感じている気を飛露以上に感じているだろう。


「あの小娘の病室からではないか?」


「ん~、だね」


 志閃が肯定する。


「人の気か?」


「そこまではわかんね。でも、大きさが違う」


「わざとわからないふりをしていないか?」


「何でそう思うわけ~?」


「わたしの勘だ。今指摘した時、貴様の気が少し乱れたしな」


「飛露、案外感度いいのね」


 志閃は自分の気が乱れたことを否定しなかった。


「仕方ないなぁ」


 そう言って、志閃は飛露にだけ聞こえる小声で話しはじめた。他の将軍の耳に入らないように気で細工までしている。

 わずかな気の揺れを感じて王紀が振り返ったが、すぐに気のせいだと思ったのか、前方に視線を戻した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ