三章 [6]
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日はすでに沈んでしまったが、まだ宵だ。寝ているということはないだろう。
昼間の熱が抜けきらず、屋内にはまだむんとした熱気が漂っている。
五人の将軍は、病室が左右に並ぶ廊下を静かに歩いていた。
先頭には泉蝶と王紀。その後ろにいる志閃は珍しく黙っている。隣で注意深く志閃を監視する赤覇も、不思議そうに彼を見るだけだ。
最後尾を歩く飛露は、先ほどから不審な気を感じていた。大きさからして人の気ではない。しかし、小動物の気とも思えなかった。
何かが違うのだ。今まで感じてきた気とは、「何か」が違う。しかし、その何かがわからなかった。何とももどかしい。
一つ確実にわかるのは、その気がある場所。
「志閃」
飛露が志閃にだけ聞こえるよう小さく声をかけた。志閃なら飛露が感じている気を飛露以上に感じているだろう。
「あの小娘の病室からではないか?」
「ん~、だね」
志閃が肯定する。
「人の気か?」
「そこまではわかんね。でも、大きさが違う」
「わざとわからないふりをしていないか?」
「何でそう思うわけ~?」
「わたしの勘だ。今指摘した時、貴様の気が少し乱れたしな」
「飛露、案外感度いいのね」
志閃は自分の気が乱れたことを否定しなかった。
「仕方ないなぁ」
そう言って、志閃は飛露にだけ聞こえる小声で話しはじめた。他の将軍の耳に入らないように気で細工までしている。
わずかな気の揺れを感じて王紀が振り返ったが、すぐに気のせいだと思ったのか、前方に視線を戻した。




