三章 [5]
「うぉお! 飛露やるぅ! 一瞬で消せたじゃん」
「貴様に褒められてもうれしくない」
飛露は自分の力量を自慢することもなく、顔をそむけた。
「まった、照れちゃって」
志閃がからかったが、飛露は反応を示さない。
「懐かしいです。確かにこの方法なら水蓮さんの能力を量ることができますね」
王紀は飛露にからむ志閃をほとんど無視して、にっこりとほほえんだ。
「そうそう、だから善は急げ! さっそく水蓮ちゃんのところに行こう」
「お前は水蓮に会いたいだけだろ」
赤覇が冷たく突っ込む。
「そうだけど――?」
だからどうしたと言わんばかりの志閃。
「開き直るな」
赤覇は志閃をにらんだが、「だーかーらー、ガンつけても気は送れないから」と挑発をやめない。
「殺気だって気みてぇなもんだろ」
「けんかはやめなさい」
ここでやっと泉蝶が止めに入った。
「とりあえず、水蓮のところへ行くわよ」
「行こ行こ! これで合格したら水蓮ちゃんは正式に禁軍所属でいいんだよね」
すでに帝直々の指名がある水蓮に必要なのは、軍人としての能力のみ。教養も必要だが、何よりも重要なのは最低限の『戦う力』だ。
「お先っ!」
志閃が水蓮のいる病室へ行くべく、作戦本部を飛び出した。
「待ちやがれ」
慌てて赤覇がそれを追いかける。志閃の騒がしさと女好きが、辺りに迷惑をかける前に止めなくてはならない。
「あたしたちも行きましょう」
泉蝶がそう声をかけ、残る三人の将軍も作戦本部をあとにした。




