3. 最強こそ最強だと言い張る男性
面接辛いです((
こんにちは、今日もいい天気ですね。さて、あなたのチキチカを一緒に創造していきましょう。
30歳男性で、野生味あふれるワイルドなルックス、そして身長は188センチ。いやあ、肉食って感じですね。
さてさて、あなたのチキチカを見ていきましょう。 最強に憧れて、剣道を始め、すぐにその道場で1番の実力者になった。その後、日本大会で最優秀の成績を収めた。しかし、理想の最強には程遠く、様々な武術を収めた。
しかしそれでもなお、最強の道は遠かった。あなたは山に籠り、そして熊を木の枝で倒した。それでもなお最強を目指し、そして異世界への転生によって理想の最強になれるのではないかと考え自死した、と。
うん。中々すごいチキチカを持ってきましたね。まず、なんで最強を目指そうと思ったんですか?
最強を目指したかったから…、なるほど、最強を目指したかったから最強を目指したんですね。
このままだと、チキチカのほとんどが破棄させかねません。元々、武道の達人っていうチキチカは大変人気がありまして、しっかり詰めておかないと審査通らないんですよ。
このチキチカの原動力って、最強を目指すことじゃないですよね?なら、最強を目指すに至った具体的なエピソードは何かありますか?
生まれた時から最強を目指していた。なるほど、つまり「生まれた時から最強に憧れ、最強を目指したかったから、最強を目指した」ということですね。何か他にエピソードはありますか?ない??
そうですか。何か問題ですか?たくさんありますね。そんなに怪訝な顔をしないで下さい、鏡かと思いました。
そもそもあなたにとっての最強って何なんですかね?最強は最強であると。いや、そうなんですけどね。
うーーん、例えばですよ、最強と言っても熊を木の枝で倒したり、日本大会で一位になれば、最強には限りなく近いですよね。あなたの最強像をもう少し具体的に教えて下さい。
ふむふむ、全ての攻撃が効かず、そして自分が繰り出す攻撃は全て一撃必殺と。まあ、地球で目指すのはかなり大変ですね。そもそも相手がガトリングでも持っていたら、ただの人間であるあなたは太刀打ちできないですからね。
しかし、ずいぶんと非現実的なことをチキチカに書かれていますね。あくまでも地球では、超能力や魔法、その他根拠のない力は使えませんよ。
あなたに武の才能があったからできたと。何故才能があったかというと、武の神様の寵愛を受けていた。才能があったというのはギリギリ受け入れられなくもないですが、神の寵愛は無理ですね。はい。
いや、無理なものは無理です。そういうチートを貰うっていう話ならいいんですけど、チキチカでは一人の人間が実現可能な範囲内でなければならないので。
あまり、非現実的なことばかりチキチカに書くと、全ての内容が審査に通らなくなりますよ。
例えば、大富豪のチキチカを持ってきたお客様がいたんですよ。彼は、相手の心を何故か読んで、ビジネスを成功させ、先進国の1年分の予算を獲得したと書いてきました。
そんな彼は審査に通らず、我々の方でこのようなチキチカとなりました。「毎日、妄想を膨らませては、葉っぱをお金だと思い込み、道行く人に私は金持ちだと主張していた。」
彼はどうなったかですか?チート付与課はそのチキチカを見て困り果ててましたね。あのオロオロした職員の姿を思い浮かべると今でも笑えますね。
チート付与課は考え抜いたあげく、「魔法で偽の金貨を作る魔法」を与えました。
ですが、意地悪な異世界選定課は、「希少価値が地球とは逆転した世界」に送り込んだものでして、最期は悲惨なものでした。
そうなりたくはないですよね?うん、よろしい。では、もっと具体的なエピソードを加えたり、現実的なチキチカにしていきましょう。
いえ、最強を目指すなと言っているわけではなくてですね。いや、ちょっと泣かないで下さいよ。男前なお顔が台無しになってしまいます。
一緒により良いチキチカにしていきましょう。例えば、幼少期から剣道に打ち込み、大会を連覇し、日本最強の名誉を得たが、不慮の事故で亡くなり転生してしまったとかどうでしょう?
横断歩道を渡っている時、トラックに突っ込まれて、そこでまだ最強ではなかったと思い転生するといった流れなら、通るチキチカだと思います。
それだと、転生後にどうなるかですか?そうですね、おそらく剣士系統のチートをもらい、無難な異世界で無双なされるかと。
そんな定番な異世界生活は嫌、と。剣だけではなく、魔法でも最強になりたいですか。
みなさん魔法に大変興味を持たれるのですが、やはり魔法系のチキチカも大人気でして、剣士系統と魔法系統のチートを両立して取得される方は稀です。
あなたのチキチカの出だし、剣道を極めるところはかなり良いですし、魔法は諦めた方が一貫性のある非常に良いチキチカになると思いますが。
それだと最強ではないと。しかし、分野を分散させればさせるほど、審査も通りにくくなりますし、どんなチートが与えられるか分かったものではないですよ?
うーーむ。わかりました。剣と魔法の両立はあなたにとって譲れないものだと理解しましたし、とりあえずアニメを見て魔法に憧れたというのも追加しておきましょう。
さて、あとは「最強」の定義を明確にするところですね。聞こえはいいですが、非常に抽象的な概念でして、具体的な最強を明示しなければ、中々審査通らないんですよ。
具体的な最強像とか、数字とかってありますか?いち……、なんて言いました?普通の人よりも1不可思議くらい強ければ最強と?
そんな、小学生ではないのですから、全く想像もつかない数字を挙げられましても困ります。100倍くらいでも正直十分すぎるくらいかと思いますが……
それだと最強じゃないと。せめて1那由多くらい…
もう歩いただけで、その世界壊してしまいそうな数字ですね。絶対、その数字だと審査通らないと思いますよ?
私は特別だから、それくらい通る?いやいや、ここに来る転生準備者は年々増加しておりまして、それこそ昔なら通ったかもしれませんが、今は中々厳しいです。あなたのように、最強に憧れる方なんて、掃いて捨てるほどおりますから、それこそ神様から直々に指名されたとかでなければ、謙虚かつユニークなチキチカでないと通らないんですよね。
正直な話、剣道のチキチカだって無数にありますし、それすら通るか怪しいですよ。それでも夢に賭けてみますか?
そうですか。わかりました。では、通常の人間の1那由多倍の剣と魔法の才能を欲したと書いておきます。
ご希望に添えるか分かりませんが、本当によろしいですか?今のところ、剣道で最強になり、魔法に憧れ、トラックに轢かれたことで、普通の人の1那由多倍の力を得たいというチキチカですが……
………、わかりました。では、この通りに申請しますね。本当に変更なさいませんか?最後の最後ですよ?そんな自信満々な瞳で返事しないで下さい。これ以上の説得は無駄であると、よく分かりました。
では審査をお待ち下さい。チキチカが発行されましたら、それを持ってチート付与課の方へ速やかに移動をお願いします。
ありがとうございました。良き異世界ライフを。
絶対、このチキチカ審査落ちするだろうな。最近のチカチカは、最強が何なのか言語化できてない方が多すぎる………
さて、次のチキチカはと。「最強に憧れて、ゴリラと格闘した」………、ほんと勘弁してくれ。
【チキチ課】
チキチカは以下のように決定する。
「幼少期から非常に短絡的な思考をする男であり、力こそ全てであると考えていた。そのため、剣道を含む、様々な武道・格闘技を経験しては、周囲の人々にマウントをとっていた。
また、アニメや漫画を通じて、自分も魔法が使えると思い込み、30歳になった時魔法使いになった信じ込み、自作の魔法を唱え自らトラックに突っ込むも跳ね飛ばされてしまった。
亡くなる直前に、一般人の1万倍の力があれば、もっと周りは称賛してくれたのにと思いながら、生涯を終え転生した。」
【チート付与課】
チキチカと、本人の希望を考慮し、以下のチートを付与することを決定する。
「身体能力が通常の1万倍高くなるパッシブスキル」
「生活魔法は使用不可な代わりに、攻撃魔法が通常の1万倍強力になり、通常の1万倍の魔力量を得るチート」
【異世界選定課】
チキチカ、チート、そして本人の希望を参考に、以下の転生先へと移送することを決定する。
「一切の力又は威圧による直接的な攻撃が禁じられ、ボードゲームの強さによって社会的地位が決まる世界」
報告は以上となります。
最後まで読んで下さり、ありがとうございました!
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読みにくい等ございましたら、遠慮なくご指摘ください。
基本的にチート付与課は異世界転生主人公に優しいです。異世界選定課は、やりたい放題しています。




