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鬼灯
君が「ぼく」が未熟なばかりに去ってしまった。
今すぐに会って話そうか?
でも、君は許してくれるだろうか?
君も厚化粧して笑顔を取り繕い
それに甘んじて気ままに毎日を過ごし
気づけば表面だけの関係になっていた。
「ごめんね」とずっと素直に言えなかった
なんで、こんなに近くにいたのに
気付けなかったんだろう、僕は近視か?
結局そう考えるだけ考えて僕は眠りに落ちた
朝、起きてみると、やっぱり居ない
君がするいつもの他愛ない話
食器を洗う音、掃除機をかける音
また毎日を彩るBGMを聴きたい
いや今度は君に聴かせてあげたい
そう思った瞬間に
僕は無意識に靴ひもを結んで
勢いよく玄関のドアを開けた。