『4』体の骸。 A man who wants to die is like a man who is already dead. (10)
「急いで!いつ『方舟』から『神』が来るかは分からない…どころか、清水祥子が居なくなったことを悟れば、直ぐにこちらに『神』はやってくるハズ!」
「…アミー!泣いてちゃ駄目だ、皆の全てを、背負ってるんだ!」
「誰の全てを、背負ってるって?」
「…!」
そこに顕れた男が何者か、僕らにはすぐに分かった。
最低最悪の『神』。
「はい、おしまい。面白かったかい?君らの物語はここで終わったんだ。何にも始まらない、終わらない。魅力的で、最高のシナリオだ!いやあ、中々に楽しんだよ。ふふふふ」
「ごめん、アミー。それに皆。僕はもう、冷静さを欠いている」
言って再び、僕は叫ぶ。
残された、全ての解決策は…一つしかない。
僕は最後の選択肢を、『普通』に全力で全うすると、心に決めた。
「ベルフェゴール!」
「僕と共に、あの男を」
「『殺せ』」
叫ヴ。
「おお怖い、きゃあ怖い。ふふふ、ふふふははははは!」
召喚された『ベルフェゴール』は、その威厳に立ちすくんでいる様に見える。
「こいつッ…幾らなんでも『桁違い』なヤツの前に…呼んでくれたね!主様」
「とにかく当たってみるしかない、僕もぶつかる…よ…」
突然。
視界が眩む。
疲労ではない。正常に立っていられない。
これは何だ?
攻撃?
「西園寺洋介!」
「主様ッ!」
「さて、僕の最終目標は…『君』の回収だ、西園寺洋介」
僕の…回収…?
「ほら、このままだと皆、みーーーーーんな、僕の手で、殺されちゃうよォ?」
瞬間。
ぼとり、と。
結界を開いていたアリエルの。
首が、落ちた。
「ひッ」
アミーの声。
「や…めろ…」
僕の声も、届かない。
「んふふふ…次」
「主様、どうやら…力、及ばずだ」
ヒュン、と。
風が吹くような音がして、振り返った。
ベルフェゴールは、その両腕が切り落とされていた。
「やめてくれ…頼む………」
僕は、ひねり出すような声で、弱々しく、許しを請う。
「やめてほしいなら、今すぐ」
「助けなよ?自分で動くのが、先だろう」
「ほら、彼女とか」
男の掌が、アミーに向けられる。
「…や…めて……助け…て、西園寺、洋介…………」
「ほら?」
「ほらほら、ほらほら、ほらほら、ほらほら、ほら?」
溜まらず、僕は叫んだ。
「やめろ」
「やめろよ」
アミーの、体が。
赤く、はじけて。
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっっっっっっ!」




